ベルギーの研究機関であるimecは2019年6月、体積エネルギー密度が2時間で充電した場合に400Wh/Lとなる全固体電池を試作したと発表した。400Wh/Lはこれまで試作された全固体電池の中では比較的高い値。国内ではトヨタ自動車が2018年に400Wh/Lの全固体電池を試作している。

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imec試作のセルの評価中の様子
(写真:imec)

 imecは2024年までに体積エネルギー密度を20~30分充電の場合に1000Wh/Lに引き上げることを目標にする。十分長い寿命と共に実現できれば、電気自動車(EV)やドローンの航続距離や航続時間の延伸に大きな前進となりそうだ。

サイクル寿命は未公表

 imecはこの全固体電池で、正極材料にLiリン酸鉄(LFP)、負極材料に金属Li、電解質としてLiイオンの伝導率が10mS/cmと高い材料を用いているとする。高い体積エネルギー密度はこの金属Liを用いていることが効いているといえる。

 ただし、金属Liを負極とするLiイオン2次電池は、サイクル寿命が短い、あるいは短絡の危険性があるといった課題を抱えている。今回imecは、サイクル寿命について公表していない。サイクル寿命についてのデータなしでは、実用化は見通せない。

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