NTTコミュニケーションズは2019年7月から専門職を対象にした新しい人事制度「アドバンスド・スペシャリスト制度」を開始する。従来の一般的な職能型の人事制度に対し、ジョブディスクリプションに基づく職務型人事制度になる。

 背景にあるのは、IT分野での米グーグル(Google)や米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)などの「GAFA」、米マイクロソフト(Microsoft)などとの激しい競合だ。企業間の人材の交流や引き抜きが激しくなり、人材の流動化が進んでいる。

 実際にNTTグループからGAFAに流出した人材も出始めている。例えば、現在はグーグルのエンジニアである熊崎宏樹氏は、NTT研究所から転職したことを2018年11月にブログで公表。大きな話題になった。

 こうした状況の中で「優秀な人材を引き留めなければならないし、外からどんどん確保していかなくてはならない」(同社広報)という課題意識から新人事制度を導入することにした。

 同社にはもともと専門職を想定した「スペシャリスト制度」があった。ただ、具体的なロールモデルが明示されておらず、「NTTコミュニケーションズがどんな人材を求めているか」「専門職としてどのようにステップアップできるか」が分かりにくかった。

 そこで、そうしたロールを明確化した新しい人事制度として運用を始めることにした。既存のスペシャリスト社員は社内に約170人おり、彼らに対してもアドバンスド・スペシャリスト制度を順次適用していくという。

将来はGAFA並みの報酬を目指す

 基本的には職種に制限はなく、様々な分野の専門職を想定している。ただ、現時点ではエンジニアの確保が課題になっているため、エンジニアを想定したロールを設定している。

 具体的には下位のロール4から上位のロール1まで4種類のロールを設定した。ロール4は一般的なエンジニア、ロール3とロール2はコンサルタント、アーキテクト、テックリードなど、ロール1は最高技術責任者(CTO)や技術顧問などを想定している。

アドバンスド・スペシャリスト制度の概要
NTTコミュニケーションズの資料を基に作成
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 ロール3とロール2の違いは「社外でも活躍し、業界内で市場をけん引するような人材かどうか」が基準になるという。ただし、ロールを固定化するのではなく、ある程度ゆるく運用する予定だ。IT分野では主流の技術の移り変わりが激しい。それによってエンジニアの需要が変わり、報酬も変動する。こうした変化に柔軟に対応するためだ。

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