京セラは、原理的に事故の恐れが少なく、容量密度の大幅な向上が期待できる新型リチウム(Li)イオン電池の量産を2020年にも始める。既存のLiイオン電池(LIB)に対して、原材料費を4割ほど安く抑えられ、製造工程を1/3に簡素化できるという。安全性向上と高密度化を両立できるとして注目を集める全固体電池よりも技術的課題が少なく早期の量産化を可能にする(関連記事「トヨタ、村田、TDKが実用化目前、全固体電池、いざEV/IoTへ」、「「2030年まで全固体電池は商品化しない」、CATLの真意」)。

 同社は、大阪府大東市の大東事業所(以前は旧・三洋電機の工場)内に新型電池のパイロットラインを設置中で2019年中に完成させる。量産技術を検証した上で、2020年度中の生産開始を目指す。京セラが20%出資しているベンチャー企業の米24Mテクノロジーズ(24M Technologies)の電池技術を基にしており、同社の米国事業所には基本的な製造技術を確立するための試験ラインを両社で設置済みである(図1)。

図1 京セラが量産する新型電池
24Mの電池技術に基づく。今回の新型を同社自身は「半固体(semi-solid)型」と呼んでいる。正負の電極の間にある電解質が、既存の電池では液体であり、全固体電池は固体であるため、これらとの対比から、こう呼称している。(写真:同社)
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 京セラは、住宅や工場などに設置している太陽光発電システムと組み合わせる蓄電池システム向けに今回の電池を生産する。「卒FIT(固定価格買い取り制度)」によって固定価格での売電を終えて自家消費するユーザーに売り込む。

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