「脱請負」を掲げる前田建設工業のベンチャー投資が加速している。2018年に3社に出資したのに続き、2019年は4社以上に広げる。直近では2019年4月に同社にとって8社目となるIoT(インターネット・オブ・シングズ)通信サービスのセンスウェイ(東京・中央)に出資した。

オープンイノベーション拠点でベンチャー発掘

 ベンチャー投資に向けた中核拠点が2019年2月に開所したICI総合センター(茨城県取手市)だ。このオープンイノベーション拠点を核に、前田建設工業は社会課題の解決に取り組む新鋭企業の発掘に力を注いでいる。

ICI総合センター(茨城県取手市)の外観
(出所:前田建設工業)
[画像のクリックで拡大表示]

 センスウェイはICI総合センターの開所式で開催された「ICIイノベーションアワード」で選出された。同社のほかビッグデータ解析やナノ素材開発などの技術を持つ5社が選ばれた。

「ICIイノベーションアワード」で選出されたベンチャー企業
(出所:前田建設工業)
[画像のクリックで拡大表示]

 前田建設工業は5社のうち、新素材開発のTBM(東京・中央)を除く4社に出資する計画だ。ICI総合センターの小原孝之イノベーションセンター長は「50人ほどの所員でベンチャー企業を発掘している。2019年は投資を加速して4~5社に出資する計画だ」と明かす。

前田建設工業が出資したベンチャー企業(2019年6月時点)
(出所:前田建設工業)
[画像のクリックで拡大表示]

 ベンチャー投資を本格化させたのは2015年に遡る。当時、前田建設工業は「MAEDA SII(ソーシャル・インパクト・インベストメント)」と名付けた取り組みを始めた。

 同社は連結純利益の2%分を「地球への配当」として環境活動などに資金を拠出してきたが、その一部をベンチャー投資に振り向けた格好だ。IPO(新規上場)によるリターンは狙わず、ベンチャーの持つ技術が同社の経営戦略に沿うかどうかで出資を決める。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら