金融庁が他の中央省庁に先駆けて、PC作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用を進めている。2018年3月までに10種類以上の業務に適用して年600時間以上の作業を自動化した。さらに現在はRPA開発の内製を進めており、2020年3月までに合わせて年1800時間のPC作業の自動化を目指す。

 金融庁は2019年6月7日、同庁の職員がRPAツールを使った開発を体験するRPA研修を開催した。職員20人が庁内で採用しているNTTデータのRPAツール、WinActorに初めて触れた。このような研修をするのは中央省庁では金融庁が初めてだという。今後は地方拠点である財務局でもRPAの説明会を開催し、現場職員の協力を得ながらRPAの開発案件を発掘していく。

 金融庁がRPAの試験導入を始めたのは2017年夏のこと。従来はRPAツールで自動化するPC作業の手順である「シナリオ」の記述は主にNTTデータが担当してきた。今後は金融庁の職員が自らの手でシナリオを記述できるようにする。

2019年6月に金融庁が開いた職員向けのRPA研修会の様子。NTTデータの技術者を講師に招き、20人の職員がRPAの開発に臨んだ
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分析作業に適用し7割を自動化

 金融庁が中央省庁の中でいち早くRPAの取り組みを始めた背景には、同庁が管理・監督する対象が従来の金融機関からFinTech企業やプラットフォーマーへと急速に広がっていることがある。職員の業務量は年々増えているが、職員の人数はすぐに増やせない。そこで職員の業務負担を減らすためRPAの導入を決めた。

 同庁の取り組みの特徴は業務部門がRPAの試験導入や庁内への普及を進めている点だ。具体的には金融機関から送られてくる預金などのデータを基にした分析業務を担う総合政策局リスク分析総括課情報・分析室が推進している。仕事で多くのデータをPCで処理していることから、試験導入をする部署に選ばれた。

 まず情報・分析室に所属する職員が「庁内システムからデータをダウンロードしてExcelシートに反映し、グラフを作る」というPC作業にRPAを適用した。すると作業全体の7割を自動化できた。それ以後、年133時間のPC作業をRPAに任せている。

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