災害時は被害状況をいかに早く正確に把握できるかが復旧を大きく左右する――。LINEやヤフー、気象情報大手のウェザーニューズといった民間企業、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)や防災科学技術研究所といった研究機関などは2019年6月18日、災害時における情報伝達の在り方を検討する「AI防災協議会」を発足した。茨城県や兵庫県神戸市といった自治体も参画するほか、内閣官房や経済産業省などがオブザーバーを務める。

「AI防災協議会」の中心メンバー
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 AIを使った自動対話システム(チャットボット)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用し、災害発生時の情報収集や整理、提供を効率化するシステムを構築する。災害が多発する日本において被災者や支援者に必要な情報を迅速に届ける。

 「災害に関する情報空白を無くす」。同協議会の福島直央事務局長は設立の目的をこう話す。情報空白とは災害直後の混乱などにより、被災者も支援者も情報を手に入れられない状態を指す。AIなどのITを生かして情報空白が生まれないようにして、レジリエンス(被災から立ち直る力)の強化につなげる。

 実現を目指すシステムの一例がメッセージアプリ「LINE」を使った安否自動確認システムだ。災害が発生したら被災地域の住民に安否確認のメッセージを送る。被災者の応答に応じてAIチャットボットがメッセージを自動的に選んで対話を進め、ケガ人の有無や被害状況を聞き出していく。自治体などがシステムを使うと想定し、効果や使い勝手を検証する。

 チャットボットと被災者との対話を通して、避難場所や支援制度など被災者が必要とする情報を提供する。「どこに逃げればいい?」「救援物資が足りない」「家が半壊した」といった被災者からの問い合わせに、避難所の場所を案内したり支援制度の情報を提供したりする。同システムを通じて集めた被害状況などの情報を集約して、災害対策本部や関係機関が使えるようにする。

システムイメージ
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