デンソーやアイシン精機といったトヨタ自動車系の部品メーカーが進めてきた“脱トヨタ依存”のペースが減速している。トヨタグループ向け売上高比率が再び上昇に転じるなど、揺り戻しの予兆が現れているのだ。

 例えば、デンソーの2018年度(2019年3月期)連結決算におけるトヨタグループ向け売上高比率は46.3%と、前期比で1.3ポイント増えた。2008年のリーマン・ショック後は50%前後で推移していたが、2017年度には45.0%まで下がっていた。トヨタグループ外の顧客開拓など脱トヨタ依存に取り組んできた結果だが、そのペースに陰りがみられる。

デンソーにおけるトヨタグループ(トヨタ自動車、ダイハツ工業、日野自動車)向け売上高比率
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 アイシン精機でも、2019年度(2020年3月期)はトヨタグループ向け売上高比率が前期比で上昇する見込みだ。2013年度(2014年3月期)は64.4%だったのに対し、2018年度は57.3%まで下がっていた。しかし、2019年度は57.9%になると予想している。

アイシン精機におけるトヨタグループ(トヨタ自動車、ダイハツ工業、日野自動車)向け売上高比率
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 トヨタ自動車が着実に業績を伸ばしている故に系列部品メーカーのトヨタグループ向け売上高比率が下がりにくくなっているという事情もあるが、第2、第3の柱と期待する新規事業がなかなか育っていないのも事実だ。かねて、トヨタ自動車は「クルマ会社を超え、人々の様々な移動を助ける会社、モビリティーカンパニーへと変革する」(同社代表取締役社長の豊田章男氏)と宣言し、系列部品メーカーにも脱トヨタ依存や新規事業創出を促してきた。だが、系列の中では比較的余力のあるデンソーやアイシン精機であっても、既存のビジネスモデルを変革するのは難しいことがうかがえる。

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