「レベル3」以上の自動運転を実現するには、人の運転と同じように周辺車両の動きを瞬時に予測し、その予測に基づいて臨機応変に判断を下すシステムが必要になる。AI(人工知能)技術を用いたシステムの特徴や研究動向について、デンソーが解説する。(日経 xTECH編集部)

 人間がクルマを運転する際、まず視覚・聴覚などによって周囲の状況を把握する。例えば、前方車両との距離や道路の幅や曲率の他、ミラーを通して後方・側方の車両を確認する。また、自車の位置・速度・加速度を知ることも必要となる。これが「認知」である。

運転における判断とは

 次に、認知で得た情報に基づいて、どのくらいの速度でどのような軌道で走行するかを決定する。例えば、前方車両との距離が近ければ減速の度合いを調整する。車線変更する際は、どのクルマの前に入るかを決める。これが「判断」である。

 最後に、判断した動作をアクセル、ブレーキ、ステアリングホイールを制御して実現する。これが「操作」となる。こうした3つの動作を繰り返すことで運転が成り立つとされており、自動運転車はこのサイクルを自動で行うシステムと言える(図1)。

図1 運転行動のサイクル
「認知」、「判断」、「操作」という3つの動作を繰り返すことで運転は成り立つ。(出所:デンソー)
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 米自動車技術会(SAE)の定義によると、自動運転の「レベル3、4」とは、限定された条件の下でシステムが全ての運転タスクを実施する状態のことである。

 しかし「限定された条件」とは言え、製品開発時に全ての条件を予想して判断を下すプログラムを組むことは現実的に難しい。道路形状や制限速度、他車両の数や位置といった刻々と変化する環境に応じて、システムが臨機応変に判断を下すためには高度な情報処理技術が求められる。

 そこで今回は、難しい判断が求められる交通シーンの1つとして高速道路における合流を取り上げ、その要件と解決方法について解説する。

 具体的には、片側1車線の高速道路の本線に、左側から自動運転車が合流を行う場合を考える。本線は渋滞しているとする。他車の動作を観察しながら「どこに」「いつ」入るかを判断しなければならないため、運転に慣れている人でも慎重になるシーンと考えられる。

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