Ubie(東京・中央)は2017年創業のベンチャー企業で、医師が症状や病歴を患者に質問する「問診」をAIで効率化するサービス「AI問診Ubie」を展開している。同社によると、現在100件以上の医療機関が導入しているという。導入した医療機関では、問診時間を1件あたり約6分削減し、合計の問診時間を約3分の1に減らす効果が得られた。

一般的な問診とAI問診Ubie
(出所:Ubie)
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 一般的な診察ではまず、診察前の事前問診として、待合室で患者が紙の問診表に手書きで回答する。その後、診察室で医師が患者の病状を口頭で問診し、最終的に患者の状態や診察結果などを電子カルテに入力する。こうした現状の診察フローについて、Ubieの共同代表取締役の阿部吉倫氏は「医師が診療業務以外である電子カルテの入力やデスクワークなどに忙殺されている」と指摘する。海外では、診察時間が1時間増えると、医師の電子カルテの入力やデスクワークが2時間増えるという報告があるという。

AI問診Ubieのイメージ
(出所:Ubie)
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 AI問診Ubieでは、患者が事前問診で症状などを入力するタブレット端末と、医師が診察時に利用するパソコンが必要になる。患者は診察を待つ間にタブレット端末を利用して症状に合った複数の質問に回答する。回答結果は、医師がカルテに記入するような専門用語と文章に変換されて、医師のパソコン上のAI問診Ubieに出力される。

AI問診Ubieを導入している目々澤醫院の院長で東京都医師会理事の目々澤肇氏
(写真:日経 xTECH)

 AI問診Ubieは約5万の論文データを学習することで、患者ごとに問診内容を最適化するアルゴリズムを実現した。患者全員に同じ内容を聞く紙の問診表とは異なり、患者ごとに詳細な症状の情報が得られ、医師の口頭問診の時間を短縮できる。AI問診Ubieを導入している目々澤醫院の院長で東京都医師会理事の目々澤肇氏は、「問診時間が減ったので、患者に対する説明に時間を取れるようになった」と話した。