タイヤに機能を追加する技術開発が活発になってきた。住友ゴム工業が開発するのは、タイヤをセンサーとして使い、車両側に搭載したシステムで路面の状態や各タイヤにかかる荷重を推定する仕組みだ。2025年をめどに、得られた情報を車両の挙動制御に使う技術の確立を目指す(図1)。主に滑りやすい路面での走行安全性が向上する。自動運転技術の向上に貢献できるとして、住友ゴムは同技術を自動車メーカーに売り込む。

図1 住友ゴム工業の「SENSING CORE」を適用した実験車両のデモ
(撮影:日経 xTECH)
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 同社が開発を進めている「SENSING CORE(センシング コア)」と呼ぶ路面状態の推定技術を使って、車両制御に活用できるデータを収集する。SENSING COREは、米国、欧州、そして中国といった市場で搭載が義務化となっているTPMS(Tire Pressure Monitoring System、タイヤ空気圧監視システム)に、路面状態、各タイヤの摩耗状態、荷重などを推定する機能を追加したものだ。

 住友ゴムが開発した仕組みは、空気圧の低下をタイヤの回転数から推定する。空気圧が低下すると、タイヤの周径がわずかに小さくなり、1回転当たりの走行距離が短くなる。同時に、タイヤごとの振動周波数を計測して分析することで、タイヤと路面の状態を細かく把握できる。

 タイヤの回転数はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)などに使う信号を読み取る他、既存の角度センサーなどの情報を流用する。住友ゴムが開発した検知システムを、ブレーキのECU(電子制御ユニット)に組み込んで、信号を分析する。

振動周波数の抽出能力を向上

 タイヤの振動周波数を高い精度で抽出できるかがカギだ。エンジンやサスペンションといった他部品からの振動がノイズとなって邪魔をするため、タイヤの振動に絞って上手く抽出することは難しい。ノイズが混じったデータは、タイヤや路面の状態を推定する用途では使えない。住友ゴムは、振動周波数の抽出能力を向上する技術開発を進め、2017年には全抽出データ中の50%しか活用できなかったものが、2019年には同80〜90%まで使えるようにした。使えるデータ量が増えれば推定の精度を高められる。

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