2011年の創業から一気に世界最大の電池メーカーに上り詰めた中国・寧徳時代新能源科技(CATL)。電気自動車(EV)の心臓部を握る同社に、世界の自動車メーカーが群がる。トヨタ自動車も電池の調達先として期待を寄せるが、“殿様商売”とも称されるCATLとの駆け引きは容易ではない。

 「トヨタまで電池が回ってこないかもしれない」――。電気自動車(EV)向けの車載電池の動向に詳しい関係者はこう予測する。中国の電池メーカーであるCATLのリチウムイオン電池を巡る調達合戦が過熱してきた。

 トヨタは2019年6月7日、電動車両向け電池の安定供給を目的に、提携するメーカーを増やすと発表した(図1)。具体的には、CATLや中国・比亜迪(BYD)、東芝、GSユアサ、豊田自動織機の5社と新たに提携を決めたという。

図1 電池メーカーとの協業
CATLやBYD、東芝、GSユアサ、豊田自動織機の5社と新たに提携を決めたが、あくまでトヨタが「中心」という姿勢を維持する。(出所:トヨタ自動車)
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トヨタが方針転換した理由

 トヨタはこれまで、内製で確保できない車載電池はプライムアースEVエナジーやパナソニックから調達してきた。方針を転換したのは、「必要な量の電池の全てを自分たちだけではまかなえない」(トヨタ副社長の寺師茂樹氏)と判断したからだ。「予想を上回るペースで中国や欧州など世界で電動化が進展している」(寺師氏)ことが背景にある。

 トヨタが選んだ電池の調達先の中で、最も大きな生産能力を持つのがCATLである。2011年の創業ながら、2017年にパナソニックや韓国LG化学(LG Chem)などを抜いて世界最大の電池メーカーになったとされる。2018年の年間生産量は21.31GWhに上った(図2)。

図2 右肩上がりで生産量を拡大
CATLの電池生産量の推移を示した。同社は2020年に100GWhの大台に到達する計画を立てる。CATLの発表を基に日経Automotiveが作成。
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 CATLの幹部によると、「2019年の生産量は50GWhを見込んでおり、2020年にはさらに倍(の100GWh)まで増やす」という。1回の充電で420kmを走行できるとするドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)の新型EV「ID.3」で換算すると、1台当たり58kWhの電池を積むため、100GWhでEV約172万台分となる。

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