大手建設各社が発表した2019年度の受注見通しでは、先行きの減速感を予見する数値が示された。国内市場の縮小を前に建設各社が新しいビジネスの芽を探す動きが熱を帯びている。

 清水建設は2019年6月7日、東京都江東区潮見に延べ床面積2万平方メートルの大規模なイノベーションセンターを建設すると発表した。竣工は2022年3月を予定し、来春に着工する。土地代を含む総投資額は約500億円。この金額は現在の中期経営計画(2019~2023年度)で投資する1000億円の「生産性向上・研究開発投資」の半分に当たる。

 新しいイノベーションセンターの主な役割はオープンイノベーションによる新技術の開発だ。建設業界に詳しいSMBC日興証券の川嶋宏樹シニアアナリストは、「建設業界ではゲームのルールが変わろうとしている。清水建設がオープンイノベーションの拠点に投資するのは業界が変化する前のチャレンジとみている」と話す。

 清水建設は2019年5月10日、中計と同時に2030年度を見据えた長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」を発表した。特筆すべきは目指す収益構造だ。2018年度における連結売上利益の構成は主力の「建設事業」が90%を占め、「非建設事業」は10%にすぎない。この非建設事業の割合を2030年度に35%まで高めるとした。

長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」で掲げた将来の収益構造。現在は1割の「非建設事業」を2030年度には3割超に引き上げる
(出所:清水建設)
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 中計で示した2019年度から2023年度までの5年間は長期ビジョンの達成に向けた先行投資期間との位置付けだ。清水建設によると「IoT(インターネット・オブ・シングズ)やロボットなどに積極投資していく」(同社広報部)という。

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