政府のIT調達を一元化する改革の実行方針が固まった。これまで各省庁に分散していたIT予算を内閣官房に集約し、システムごとに内閣官房と省庁がチームを作ってプロジェクトを進める。システム基盤を省庁間で共用する取り組みなども併せて進め、行政システムの開発運用コストを減らす狙いだ。

 改革を推し進めているのが、10年以上にわたって政府IT調達の問題を指摘し、2018年10月に初入閣した平井卓也IT担当大臣である。実行方針の策定を受けて日経 xTECHの単独取材に応じ、改革の全容と狙いを語った。

平井卓也IT担当大臣
(写真:陶山 勉)
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 平井大臣はIT調達一元化の狙いについて、システム基盤の共用にとどまらず、「政府の中にプロジェクト管理や技術知識などのノウハウを蓄積する」ことにもあると説明した。プロジェクトの品質を高めることがIT予算削減に欠かせないとの見方だ。

 併せて、政府の一般会計が抱える約4000億円のIT予算のうち、改革初年度の2020年度に1000億円程度を一元調達する見通しであることも明らかにした。同年度には、行政システムのシステム基盤として民間のクラウドサービスを活用する取り組みも本格的に始める。

 様々な施策によって、特別会計を含めて約7000億円にのぼる政府のIT予算を「2025年度までに3割減らす」目標を達成する考えだ。

既存システムについて2025年度に約3割のIT予算削減を目指す。浮いた分は新規投資に
(出所:内閣官房)
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チームを組んでクラウド優先

 IT調達一元化の方針は、2019年5月に可決、成立した「デジタル手続法(デジタルファースト法)」に盛り込まれた。2019年6月4日に開かれた政府の「デジタル・ガバメント閣僚会議」で具体的なIT調達改革のスキームが決まった。

 スキームのポイントは「チーム」である。行政システムの利用者である各省庁のシステム部門だけでなく、IT調達のノウハウを蓄積する内閣官房IT総合政策室、予算額の決定に関わる財務省主計局の3者がチームを組むのだ。このうち、内閣官房IT総合政策室は「予算の管理とプロジェクトの管理の両面でグリップを握る」(平井大臣)存在で、いわばチームの司令塔の役割を担う。

 改革の実現に向け、内閣官房を中心に人材強化が進み始めた。内閣官房IT総合政策室は民間から登用したり官僚に専門スキルを身に付けさせたりして、プロジェクトを管理できる人材を増強中だ。

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