今から約10年後の2030年、IoT(インターネット・オブ・シングズ)やAI(人工知能)は今よりずっと暮らしに溶け込んでいる。そのとき、私たちの住環境はどう変わっているのだろうか――。

 都市再生機構(UR)と東洋大学情報連携学部(INIAD)は2019年6月12日、2030年を先取りして具現化したスタートアップモデル住戸「Open Smart UR」の内覧会を実施した。記者がひと足早く未来を「体験」してきた。

センサーだらけは心強さの証し

 東京都北区にある旧赤羽台団地。その44号棟の1室を改修した部屋は、スパイ映画に登場する基地のごとく、多数のセンサーが設置されていた。

モデル住戸を設置した旧赤羽台団地内に立つ44号棟の外観。「スターハウス」と呼ばれる建物で、階段室を中心に3つの住戸が放射状に配置されている
(出所:都市再生機構、東洋大学情報連携学部)
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 その数、実に42個。天井付近に据え付けた見守りカメラやサーモ(赤外線)センサーなどが「リビングで人が倒れている」「住人の体温が高くなっている」といった変化を機敏かつ正確に捉える。将来的にはセンサーが捉えた様々な状況をAIが自動的に判断して、非常事態となれば救援を呼ぶといった仕組みを住宅そのものが備えるようになるという。

都市再生機構(UR)と東洋大学情報連携学部(INIAD)が公開した未来の住まい「Open Smart UR」。天井付近にカメラやサーモセンサーなどの計測器を設置している
(出所:都市再生機構、東洋大学情報連携学部)
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 「少子高齢化が進んだ未来では、若者に限らずロボットやAIなど多様な『手』が高齢者の暮らしを支える仕組みが欠かせない」。INIAD学術実業連携機構の坂村健機構長はこう見通す。例えばメーカーの異なる住宅設備がAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じてセンサーのデータを共有できるようにすれば、トラブルや災害が発生しても迅速に対応可能な住環境を高齢者などに提供できる。

URと技術協力して住まいにAIやIoTを活用する研究に取り組む、INIAD学術実業連携機構の坂村健機構長
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 坂村機構長は「近い将来、同居人はAIになる」とみる。IoT機器が宅内外の状況を常時観測し、変化があればAIが適切に対応する住環境は、高齢者や障害者など「あらゆる人にとって心強い」と訴える。

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