小惑星「リュウグウ」に衝突装置をぶつけて人工クレーターの形成に成功した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」――。現在、人工クレーター形成時に飛散したリュウグウ表層下のかけら(イジェクター)を採取するという大目標に向けて、2度目のタッチダウンを実施するかどうかの判断のための準備を着々と進めている。

 そのための一連の取り組みが、低高度降下観測運用「ピンポイントタッチダウン」(PPTD)である。1回目(運用名「PPTD-TM1」)は2019年5月14~16日に、2回目(同「PPTD-TM1A」)は同月28~30日に実施しており、3回目(同「PPTD-TM1B」)を同年6月11~13日に実施する。

 PPTDの目的は、タッチダウンの候補地点の地形を詳細に観察すること。加えて、タッチダウンの際の目印となるターゲットマーカー(TM)を状況に応じて投下することである(図1)。1回目のPPTD-TM1では、高度約10mまで接近し、地形の観測とTMの投下を予定していたが、高度約50mで探査機が上昇(アボード)に転じるという予期せぬ事態に見舞われた。だが、TMの投下には至らなかったが、幸いなことに、上昇しながらの撮影機能によって、タッチダウン候補地点全ての詳細な地形の撮影に成功。JAXAによれば、たまたま探査機が上昇する軌道がそれを可能にした。まさに運が味方した。

図1 探査機の下面に搭載された5つのターゲットマーカー
図1 探査機の下面に搭載された5つのターゲットマーカー
フラッシュをたくことでターゲットマーカー(TM)を光らせタッチダウンの際の目印にする。(出所:JAXA)
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