「論拠が甘すぎる」「とても政策決定に耐えられる統計の扱い方ではない」。

 総務省は2019年6月11日に有識者会合を開き、携帯電話の料金競争を促すための改正電気通信事業法施行規則の案を示した。しかし有識者からは総務省案の問題点を指摘する声が相次いだという。

 指摘されたのは、違約金などの算定根拠となる仮定の置き方や統計の扱い方に関する問題点だ。「あまりに甘い。結論ありきに見えてしまいかねない」。参加したある有識者は、こう切って捨てた。総務省は次回会合までに論拠を補強するなどで、ほぼ現行通りの案を通したい意向だ。しかし論拠不足の案で“暴走”しかねない総務省案に待ったをかける「対案」も会合で出ている。論拠固めが不調に終われば、修正を迫られる公算が出てきた。

「違約金の禁止と同じだ」

 総務省案には大きく「2年縛り」など期間拘束契約に対する規制と、携帯端末の値引き規制がある。このうち期間拘束契約については、途中解約時の違約金に1000円の上限を設けることに加え、違約金なしで解約できる単月契約と期間拘束契約との料金格差を「月額170円」までに制限した。

総務省が有識者会合で示した料金競争を促すための総務省令の概要
出所:総務省
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 携帯電話大手にとって、1000円という違約金の規制は解約事務コストだけで相殺されかねない厳しい水準だ。「170円」という料金格差規制も含めて、実質的には携帯大手の2年縛り契約を全否定したに等しい。総務省によると、構成員からは「この案を採用するなら、期間拘束契約そのものを禁止してもよいのではないか」という主旨の意見も出たという。

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