日本が初めて議長国を務める20カ国・地域(G20)の貿易・デジタル経済大臣会合が2019年6月8日、9日の両日に茨城県つくば市で開催された。G20の貿易大臣とデジタル経済大臣が初めて一堂に会し、日本主導で閣僚声明をまとめた。

 閣僚声明には日本が提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)」や、人間中心の人工知能(AI)を実現する環境づくりに取り組むとした「AI原則」を盛り込んだ。G20がAIについて議論したのも初めてだ。

茨城県つくば市で開催した20カ国・地域(G20)の貿易・デジタル経済大臣会合
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 「信頼性のある自由なデータ流通」という概念は安倍晋三首相が2019年1月の「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」で提案した。人々や企業間の信頼に基づく自由なデータ流通を促して世界経済の成長につなげる概念として、「データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト」の頭文字を取ってDFFTと呼ばれる。

 世耕弘成経済産業大臣は記者会見で「今後のイノベーションはデータが鍵になると同時に、プライバシーやサイバーセキュリティー、消費者や企業の信頼がデータの流れを生み出すということについて、活発で良い議論が行われた」と成果を強調した。

 一方で世耕大臣は「信頼(トラスト)とは何なのか、国によって重視することには違いがある」とも述べ、参加国間の考え方の違いも浮き彫りになった。日本は6月28日、29日に大阪で開くG20首脳会合の「大阪トラック」と呼ぶ枠組みで改めて合意を目指していて、最終的な成果は大阪での首脳会合に持ち越した。

世界GDPの8割を占める国々が集結

 G20は主要国首脳会議(G7)に参加する7カ国や欧州連合(EU)、ロシア、新興経済国11カ国の計20カ国・地域で構成する。経済協力開発機構(OECD)の非加盟国である中国やロシアも加わり、世界の国内総生産(GDP)の80%を占める。先進国と新興国が対等なメンバーとして議論する「国際経済協力に関するプレミア・フォーラム」と呼ばれる。

 貿易・デジタル経済大臣会合で取りまとめた閣僚声明はDFFTについて「プライバシーやデータ保護、知的財産権、セキュリティーに関する課題に引き続き対処する」とした。そのうえで消費者や企業の信頼を構築してデータの自由な流通を促進するために「国内的及び国際的な法的枠組みの双方が尊重されることが必要」という文言を盛り込んだ。

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