都内某所の建設現場。「気象アラームを受信しました。受信内容を確認してください」。現場責任者はスマートフォンから音声に気付き、画面を開くと「強風アラーム」のメッセージが。即座に作業員を事務所に退避させ、同時に本部に「作業を中断した」と連絡を入れた。その数分後、たたきつけるような暴風雨が現場を襲った――。

「KDDI IoTクラウド ~作業員みまもり~ +天候予測」で天候悪化を警告する画面
(出所:ウェザーニューズ、KDDI)
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 ウェザーニューズとKDDIが2019年5月にバージョンアップした、屋外作業員の安全を管理するサービス「KDDI IoTクラウド ~作業員みまもり~ +天候予測」を使って、今後こんなシーンが増えそうだ。同サービスはウェザーニューズの気象予測サービスと、現場責任者が携行する小型の気象センサーで計測した現場のデータを組み合わせて分析し、超局地的な気象を予測する。天候悪化によるリスクが高いと判断すれば、KDDIの通信インフラで現場の作業員に警告する仕組みだ。

悪天候を屋外の作業員に伝える仕組み
(出所:ウェザーニューズ、KDDI)
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 1キロメートル単位のメッシュで5分ごとに天候情報を更新する全国約3000台の観測機を使った「マクロ視点」の分析と、キーホルダーのように小型の気象センサーを使った「ミクロ視点」の計測を組み合わせて作業する現場の天候を予想する。これにより現在は「現場を襲うゲリラ豪雨を含む降雨の発生を、9割ほどの確率で捕捉できる」(ウェザーニューズの石橋知博執行役員)という。

 両社は屋外作業員向けの天候予測サービスを2018年7月に開始した。作業に与える影響度に応じて、危険度の低い順からレベル1から3までのアラームをスマホに配信する。ただ、作業内容によって警戒すべき悪天候の条件は異なる。そこで2019年5月にバージョンアップして、降水量や風速、熱中症の計測値に関して、アラーム発信の数値を自由に設定できるように改善した。

小型気象センサー(左)とその計測値を示すスマホの画面。気温や湿度、熱中症危険度など、現場の環境を細かく計測できる
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 特にニーズの高い情報は大雨警報だ。2018年の「災害レベルの猛暑」を受けて、熱中症対策に注目する企業も増えている。小型気象センサーは「熱中症危険度」をはじめ「気温」「湿度」「紫外線指数」「不快指数」などを、現場ごとに異なる作業環境に応じて細かく計測できる。これらのデータに基づいた熱中症の危険度を算出することで、作業継続の可否を判断する際の客観性を高めている。

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