トヨタ自動車が電動車の普及計画を5年間前倒しすると2019年6月7日に発表した。「電動車を世界で550万台以上販売し、そのうち電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)を100万台以上とする」という目標達成の時期を、2030年から2025年に早めた。2017年12月に立てた目標達成の時期を、わずか1年半あまりで変えたことになる。背景に何があるのか。報道陣からの質問にトヨタ自動車副社長の寺師茂樹氏を中心に、同社パワートレーンカンパニー電池事業領域領域長の海田啓司氏、トヨタZEVファクトリー部長の豊島浩二氏が回答した。

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トヨタ自動車副社長の寺師氏
(写真:日経 xTECH)

今回の発表を聞くと、トヨタ自動車はEVに対して積極的な姿勢に変わったように感じる。その背景にはやはり、EVで攻勢を強めている独フォルクスワーゲン(VW)への対抗意識があるのか。

寺師氏:EVに対する姿勢が特に変わったわけではない。VWなど他社がいろいろな計画を発表したから焦ったのではないかとか、EV化に遅れたトヨタが焦って頑張り出すのではないか、などと思われているのかもしれない。だが、今回発表した内容は、我々が考えていた従来のスケジュール通りのものだ。

 EVを本格的に考える部署をつくろうと考えて2016年にEV事業企画室を4人で立ち上げた。それが現在は290人くらいに増えているが、そのEV事業企画室を設立した当時に「こういうペースでやっていこう」と考えた、ほぼそのスケジュールで来ている。

 世の中にないものを出すときには、かなりの準備をしてからではないと顧客や市場にはなかなか受け入れられない。そのことを理解した上で、一緒にビジネスをやってくれる仲間を募りながらここまでやって来た。決して軸足がEVに移り、FCVをないがしろにするつもりはない。

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寺師氏(中央)とトヨタ自動車パワートレーンカンパニー電池事業領域領域長の海田啓司氏(右)、トヨタZEVファクトリー部長の豊島浩二氏(左)
(写真:日経 xTECH)

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