福岡市で開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は2019年6月9日夕、仮想通貨に関する規制を強化する方針を支持する内容などを盛り込んだ共同声明を採択し閉幕した。仮想通貨の交換事業者に免許制や登録制を課す基準を設けるなど、各国のマネーロンダリング(資金洗浄)対策を審査する国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が表明していた方針をG20が支持。仮想通貨による資金洗浄対策で各国が足並みをそろえる姿勢を示した。

福岡市で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議は9日夕方に閉幕した
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 仮想通貨(暗号資産)は銀行を介さず個人や企業間で直接送金できるため、規制当局による監視の目が行き届きにくい。このため以前から、犯罪で得た収益の出所を隠す資金洗浄に利用される可能性が問題視されていた。

 FATFは2018年10月、各国の交換事業者などを資金洗浄の規制対象に加えると表明し、免許制や登録制を課す基準を設けるべきだと訴えていた。2019年6月21日に開催する本会合で具体的な基準を定めた文書についてまとめる予定で、G20は共同声明の中に「(FATFが同文書を)採択することを期待する」と明記した。

 また8日の会議では、ブロックチェーン(分散型台帳)技術の活用が進んだ際に顧客同士が直接結び付く「分散型金融」の規制の在り方についても議論された。主要国の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)は2019年6月6日に公開した報告書で、ブロックチェーンは規制による公益確保を困難にする可能性があると指摘。規制当局や技術者、産業界など様々なステークホルダー間で対話の必要があるとしていた。

 8日の会議ではカナダのブロックチェーン開発会社ブロックストリームのアダム・バックCEO(最高経営責任者)や、オランダ中央銀行総裁でFSB副議長のクラース・クノット氏、ジョージタウン大学の松尾真一郎研究教授など様々なステークホルダーが集まりパネルディスカッションを実施した。

 モデレーターを務めた慶応義塾大学の村井純教授はイベント後の記者会見で、規制当局の責任者と仮想通貨の研究者などが一堂に会して議論したことについて「それぞれの立場の人がそれぞれの立場で意見し合えた。このような場をG20で開催できたのは大変良い意味がある」と話し、「歴史的な出来事だ」と語った。

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