欧州で100カ所めとなる超急速充電の拠点を開設した――。2019年5月末にこう発表したのは、1台の電気自動車(EV)も量産していないドイツ・ポルシェ(Porsche)だ。同社は同年9月に初の量産EVとなる「Taycan」の発表を控える(図1)。スタートダッシュを決めるべく、EVを“売れる”環境の整備を急ぐ。

図1 最終テスト中のPorshce初のEV「Taycan」
2019年9月に発表する予定である。(出所:Porsche)
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 高級EVで先行する米テスラ(Tesla)も、独自の急速充電網の配備に積極的だ。2019年3月には、同社にとって第3世代となる急速充電器「Supercharger V3」を発表した。出力を250kWまで高め、充電時間の短縮を図る。

 PorscheとTeslaに共通するのは、消費者に我慢させない取り組みを強化していることだ。EVによる「我慢」の1つだった短い航続距離に関しては、電池や電動パワートレーンなどの進化によって解消しつつある。例えば、PorscheのTaycanは1回の充電で500km走れるようにする予定だ。残る「我慢」が急速充電インフラの配備である。電欠しそうな状況でストレスなく充電できることが、高級車の商品性としては必須になる。

2020年末までに400カ所

 Porscheの取り組みは、正確には欧州に電動車向け急速充電ネットワークを設置する合弁会社であるドイツ・イオニティー(IONITY)によるもの。同社は、ドイツのBMWグループとダイムラー(Daimler)、アウディ(Audi)とPorscheを含むフォルクスワーゲン(Volkswagen)グループ、それに米フォード(Ford Motor)を加えた4社による合弁会社である(図2)。

図2 IONITYの拠点で充電するAudiのEV
(出所:ABB)
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 IONITYの設立は2017年で、2020年末までに欧州の高速道路や幹線道路を中心に400カ所の充電ステーションを配備する計画だ。120km間隔で急速充電器を用意するという。同社は、ドイツの自動車会社が中心となって設立した組織「CharIN Association」が策定・推進する「Combined Charging System(CCS)」規格を採用する。

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