イノベーションを目指す企業にこそIT人材が引き寄せられる――。情報処理推進機構(IPA)は2019年5月27日、IT人材が集まる企業の環境や人材戦略などについて調査した結果を明らかにした。同月発行の『IT人材白書2019』やデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する調査などを基に導き出した。

7つの軸で企業の強み・魅力を整理

 IPAはIT企業やユーザー企業を対象に、就職・転職の応募状況を調べ、回答企業がどんな強みや魅力を持っているかをアンケート調査した。さらに企業ごとの応募状況と各企業の魅力や強みといった「企業環境」の2つのデータを使って、直近2~3年で就職や転職の応募が増えた企業と減った企業を比較した。

 企業環境は7項目で整理した。具体的には「自社のビジョンや価値感が従業員に行き渡っている」「社内の風通しがよく、情報共有がうまくいっている」「おたがい成長する・学びあう、育てる、助け合う土壌がある」「仕事を楽しもう・仕事の中にも遊び心を持とうとする姿勢がある」「リスクをとって新しいことにチャレンジする」「多様な価値観を受け入れる/重んじる」「自社には他社とは違う特徴(長所)がある」――である。

 IT企業同士を比較すると、応募が増えた企業と減った企業とでは企業環境のレーダーチャートの「形」そのものには大きな違いはない。だが応募が増えたIT企業は減った企業より全体的に各項目のポイントが高く、特に「社員同士が助け合う」「リスクをとってチャレンジする」の2項目の差が大きかった。

IT企業の比較結果
(出所:情報処理推進機構)
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 ユーザー企業同士を比較すると、IT企業同士よりもレーダーチャートの「形」の差が大きい。特に「社内の風通しがよい」「リスクをとってチャレンジする」「多様な価値観を重んじる」の項目の差が大きかった。

ユーザー企業の比較結果
(出所:情報処理推進機構)
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 「互いに助け合い、リスクを取って挑戦し、多様な価値観を重んじる企業環境がイノベーションを生む」。IPAの片岡晃社会基盤センターセンター長は調査結果をこう総括し、「イノベーションを起こそうと挑戦する企業にIT人材が集まっているのではないか」と話した。

IPAの片岡晃社会基盤センターセンター長
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