製品ベンダーが提供する保守サービスの代わりに、サポート専業のベンダーが保守サービスを提供する「第3者サポート」が注目を集めている。第3者サポート専業の米リミニストリートの日本法人である日本リミニストリートは、2017年に約100社だった利用企業が2019年4月時点で約200社と2倍になっているという。

 第3者サポートを利用する最大のメリットは価格の安さだ。日本リミニストリートの場合、製品ベンダーが提供する保守料金と比べ、50%程度の費用で保守サービスを提供するのが売り文句だ。障害発生時のサポート、法規制対応やバグを修正するためのパッチの作成といった、製品ベンダーが提供していたサービスをリミニストリートが提供する。

 「製品ベンダーが定めたサポート期間に縛られずに、自社に最適なタイミングでシステム刷新ができるのもメリット」と米リミニストリートのセス・ラビンCEO(最高経営責任者)は話す。第3者サポートは製品ベンダーが提供するサポート期間の終了後もサービスを提供することが一般的だからだ。

 ラビンCEOは、「SAPのERPのユーザー企業など、10年以上同じシステムを利用したいという企業が当社のサービスを利用している」と強調する。SAPは主力製品であるERP「SAP ERP」の標準サポート期間を「2025年まで」と表明している。これにより日本で2000社とも言われるSAP ERPのユーザー企業は2025年までに、基幹系を刷新する必要に迫られている。2025年以降も現状のシステムを利用したい場合、第3者サポートが有力な選択肢となる。

 コスト削減効果や製品ベンダーの標準サポート期間終了後もサポートが受けられるメリットがある一方で、第3者サポートにはデメリットもある。それはシステムを「塩漬け」にしなければいけないことだ。製品ベンダーと保守契約を結んでいる場合、一般に割引価格や無償で新機能や新版の提供を受けられる。保守契約を打ち切ることでこうした権利はなくなるため、第3者サポートに移行した際の状態でシステムを利用し続けることが前提になる。

安定稼働しているから、第3者サポートを使える

 第3者サポートはコスト削減ができる一方で、「数年後に魅力的な新機能が提供された」といった場合はそれが享受できない。では、第3者サポートを活用するにはどういったアプローチが有効なのか。

 2019年1月にSAP ERPで構築した基幹系システムの保守サポートをリミニストリートに切り替えたカルビーの場合、SAP ERPを標準機能を中心に導入していたことが、第3者サポートへの移行が可能と判断したポイントとなった。「標準機能を中心に導入したからこそ、システムの安定稼働が可能になり、第3者サポートに移行後のリスクも回避できると考えた」とカルビーの小室滋春執行役員情報システム本部長は話す。

 カルビーは2016年1月にSAP ERPを利用した基幹系システムを導入した。特徴はSAP ERPの標準機能をフル活用することで、アドオン(追加開発)ソフトを100本程度と非常に少なく抑えたことだ。「アドオンソフトが少ないことが、システムの安定稼働につながっている」と小室本部長は話す。

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