ドイツ・アディダスは2019年4月18日、100%リサイクル可能としたランニングシューズ「FUTURECRAFT.LOOP」を発表した。ひもやアッパー、ソールなど全ての部材を同一の素材で構成しており、接着剤も使わない。回収した後にまとめて粉砕して、再びシューズの素材としてリサイクルできる(図1)。

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図1 単一素材で造られたランニングシューズ「FUTURECRAFT.LOOP」
アディダスは、ひももアッパーもソールも同一の熱可塑性ポリウレタン(TPU)から造ったランニングシューズを開発した。接合にも他の素材は使わない。(日経 xTECHが撮影)
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ひもからソールまで同じ素材

 シューズは通常、複数の素材を組み合わせて製造する。ひも、足の甲を多く布、足裏を支える多層のソールなど、部材によって材料に求める特性が異なるためだ。これらの様々な材料の部材は、接着剤で接合する場合が多い。

 こうしたシューズを回収してリサイクルしようとしても、複数の材料や接着剤が互いに混ざり合い、元の材料に戻すのは難しい。そこでアディダスがたどり着いた解決策の1つが、「単一素材でランニングシューズを完成させる」方法だった。

 ただし、シューズとしての形状はもちろん、強度や柔軟性などの要件を満たさなければならない。同社は世界中の素材メーカーと10年以上かけて研究し、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を選択。TPUを繊維化してひもやアッパーを造り、射出成形によりソールを造る。

 部材同士の接合方法の開発は、同社内で先進的な製造技術を持つSPEEDFACTORYが担当。FUTURCRAFT.LOOPにおいて接着剤を使わない接合技術を開発した。SPEEDFACTORYは3Dプリンターでソールを造形する技術などを所有している。

 このように造ったFUTURECRAFT.LOOPは回収・洗浄後にペレットに破砕すると、再びシューズの材料として元と同じ品質で再利用できるようになる(図2)。現在、世界各国200人にベータ版プログラムの一環として第一世代モデルを配布。使い心地などのフィードバックを受けると同時に、全てを回収してリサイクル・プロセスを検証する。これらの成果を基に、2021年春夏シーズン向けに製品を発売する計画だ。

図2 採用した熱可塑性ポリウレタン
回収したシューズは粉砕・洗浄した後にペレットとして次の製品の素材として使われる。ひもやアッパーでは繊維化してから使用する。(日経 xTECHが撮影)
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