電源ICや電源モジュールを手掛ける半導体メーカーの米バイコー(Vicor)。同社のCorporate Vice PresidentのRobert Gendron氏が来日し、報道機関向け会見を行い、最近の状況を説明した。AIブームによってデータセンターやクルマなどの演算能力の増強が必須となり、電源の需要が鰻登りだという。工場を増やしたり、新製品を投入して、市場の期待に応えたいとした。

Robert Gendron氏(左)と小嶋和洋氏(右)。日経 xTECHが撮影
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 今回の会見には、Vicor製品を日本で販売するVicor KKの小嶋和洋氏(統括部長)も登壇している。小嶋氏によれば、Vicorの設立は1981年で、以来、独自のアーキテクチャーの電源製品を開発・提供してきた。現在は第4世代品を開発販売している。アーキテクチャーや回路設計とともに、同社の特徴はパッケージングにあり、半導体製造の後工程のパッケージングやテストは自社工場で行う。なお、前工程の拡散などはファウンドリーに委託している。

Vicorの歩み。同社のスライド
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 2018年の売上高は2億9122万米ドル(約321億円)で、前年比で28%増えた。同年の半導体市場全体は前年比で13.7%増と言われており(関連記事1)、業界全体の2倍以上の伸び率だった。こうした売り上げの伸びを支えているのが、市場の旺盛な需要と、同社の生産能力の増強、新技術/新製品の開発である。Gendron氏によれば、需要の伸びのけん引役はAIブームだという。AIによって演算能力を高める必要があり、プロセッサーICの高性能化が進んだり、プロセッサーICの個数の増加が増えている。それにつれて電源需要が高まっているとする。

プロセッサーへの供給電流は鰻登り。Vicorのスライド
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 こうした需要増に応えようと、Vicorでは生産能力の強化を図っている。例えば2018年には、米国マサチューセッツ州アンドーバーにある後工程工場の製造設備を増強することで、生産能力を最大6倍に高めた。現在、同工場の隣に新たな建屋を作っており、2020年第3四半期冒頭から新建屋での生産を開始する予定だ。新工場の床面積は現在の工場と同じで、完成時には2倍に増床されることになる。さらに、アンドーバー以外の初めての工場をアジアで作るべく、現在、検討を進めているとのことだった。

既存工場の生産能力を増強。Vicorのスライド
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