ITの力で物流効率を向上する、こんな取り組みが加速してきた。モノフル(東京・港)は、トラックの荷待ち時間を減らす「トラック簿」と呼ぶサービスを2019年4月から始めた(図1、2)。紙とペンを使ったアナログ的な記録手法だった車両の出入庫を、カメラや車両の位置情報システムを駆使して自動化。1運行あたり平均1時間45分にも上る荷待ち時間を大幅に削減する。2019年中に50社以上への提供を目指す。

図1 物流施設のバース(撮影:日経 xTECH)
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図2 モノフルが提供する「トラック簿」のサービス(出所:モノフル)
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 荷待ち時間は、運転でも休憩でも点検でもないムダな時間だ。この時間を削減できれば、サプライチェーン全体の効率が向上し、車両1台あたりの荷量を制御しやすくする。約4割まで落ち込んでいるトラックの積載率を高め、物流事業者の収益性を改善できる。多様なモビリティーをサービスでつなぐ「MaaS(Mobility as a Service)」の提供を視野に入れるならば、モノフルが手掛けるような効率化の技術は欠かせない。

 「トラック簿は現状の“見える化”を助けるためのサービスだ」――。モノフル社長の藤岡洋介氏はこう強調する(図3)。

図3 モノフル社長の藤岡洋介氏(撮影:日経 xTECH)
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 荷物の積み下ろしは物流施設のバースと呼ぶエリアで行う。物流施設の規模によってはバース数が100を超すこともあり、施設内に何台のトラックが停車していて、何カ所のバースが利用可能かなど、正確な情報を把握しにくい課題があった。モノフルのサービスは、各バースの状況をリアルタイムで把握可能な点が強みとなる。

 モノフルが提供するトラック簿のサービスは、機能の充実度に応じて3段階に料金を分けている。車両の受付やバースの割り当てといった基本機能は、月額の基本料金を無料に設定。競争が激しく、コスト削減を急ぐ物流事業者が簡単に導入できるようにした。バースの予約や、カメラによる車両の自動受付、位置情報システムを使った車両の運行管理などの追加サービスでモノフルは稼ぐ。モノフルは同サービスをプラットフォーム(PF)と位置付け、技術ベンチャーとの提携によって機能を拡充していく。

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