パナソニックグループのATOUN(奈良市)は同社が開発するパワードウエア「ATOUN MODEL Y」について、作業員の腕の動きを補助する追加ユニットを新たに開発、2019年5月17日に実施した技術セミナーで公開した。腰の動きを補助する既存製品と組み合わせることで、20キログラムのビールケースでも楽に持ち上げられるようになる。倉庫などの作業員の効率を最大4割高める。同ユニットを含むパワードウエアの実証実験を2019年5月末に始め、2020年度にも発売する。

技術セミナーに登壇したATOUNの藤本弘道代表取締役社長
手に持っているのが「ATOUN MODEL Y」(撮影:日経 xTECH)
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 ATOUNは重量物の積み下ろし作業における腰の負担を軽減するパワードウエア「ATOUN MODEL Y」を2018年7月に発売した。新たに開発した腕の補助ユニットはMODEL Yと組み合わせて利用する。サポートする腕の動きは大きく分けて4つ。荷物を「持ち上げる」「下ろす」「保持したまま運ぶ」「棚などから引き出す」という機能である。持ち上げと下ろしでサポートする重量は、片腕で5キログラム、両腕で10キログラムを想定する。荷物を持ち上げられる高さは床から90センチメートル程度までという。人が持てないものを持てるようにする機能ではなく、物流作業員が一日に何度も繰り返す積み下ろしなどの作業を補助する。

 ATOUNはパナソニックの社内ベンチャーとして2003年に創業した。MODEL Yを物流や製造業、農業などの分野に導入し、現在までに400台近くを受注したという。例えばJALグランドサービスは、羽田空港と成田国際空港の手荷物積み下ろし作業にMODEL Yを導入した。今後大阪や福岡、札幌でトライアルを開始する予定だ。

 ATOUNは腕の補助ユニット付きのMODEL Yを着用した場合と、MODEL Yを着用しない場合の作業効率を比較する実験を実施した。20~30代の男女5人について、20キログラムのビールケースを5分間で机の上に上げ下ろしする回数を比較したところ、着用しない場合と比べて上げ下ろしの回数が最大37.7%増えたという。「体格や筋トレの習慣などで個人差はあるが、繰り返しによる作業ペースの低下などに改善が見られた」(ATOUNの中野基輝技術開発部次長)。

腕補助用ユニット付きのMODEL Y着用の有無を評価
(撮影:日経 xTECH)
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