インターネットイニシアティブ(IIJ)は2019年5月上旬、パブリックDNSサービス「IIJ Public DNSサービス(ベータ版)」を公開した。パブリックDNSサービスは複数あるが、国内では初めてとなる。そのサービスの特徴とIIJの狙いを解説する。

誰でも利用できる公共DNS

 DNSとは、インターネット上に存在するドメイン名とIPアドレスを関連付ける階層型データベースである。

 例えば「tech.nikkeibp.co.jpというドメイン名のIPアドレスは何?」とDNSサーバーに問い合わせると、「52.249.55.127です」と教えてくれる。人間が覚えやすいドメイン名と、インターネット上の住所であるIPアドレスを関連付けるサービスだ。

 Webブラウザーなどにドメイン名を入力すると、バックグラウンドでDNSサーバーに問い合わせ、返答されたIPアドレスを使ってWebサーバーにアクセスしている。つまり、ドメイン名を入力してWebサーバーにアクセスできるのはDNSのおかげである。

 DNSサーバーには、キャッシュDNSサーバーと権威DNSサーバーの2種類がある。パソコンなどのDNSクライアントからの要求を受け付けるのがキャッシュDNSサーバーで、特定のドメイン名に関するIPアドレス情報を管理するのが権威DNSサーバーだ。

 パブリックDNSサービスは、このうちのキャッシュDNSサーバーをインターネット上に設置し、誰でも利用できるように公開するサービスである。

 パブリックDNSサービスは、米国企業が先行して提供している。

パブリックDNSサービスの例
サービス名Google Public DNSQuad91.1.1.1IIJ Public DNSサービス(ベータ版)
提供会社米グーグル米IBMなど米クラウドフレアインターネットイニシアティブ
DoT(DNS over TLS)対応
DoH(DNS over HTTPS)対応×
サービス開始時期2009年12月2017年11月2018年4月2019年5月

 IIJ Public DNSサービス(ベータ版)へのDNSの問い合わせは、従来のUDPを使った形式は使えず、DNSの通信を暗号化する「DNS over TLS(DoT)」と「DNS over HTTPS(DoH)」のみに対応する。

 国内で最初にパブリックDNSサービスを提供した狙いについて、IIJサービス統括本部アプリケーションサポート部アプリケーションサービス課の山口崇徳氏は「DNSの新しい仕様であるDoT/DoHの実装や特徴を、日本のプロバイダーとしていち早く検証しノウハウを蓄積するため」と語る。

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