最高裁判所は2020年から一部の地方裁判所などで民事裁判の争点整理手続きに日本マイクロソフトのクラウド型チャットツール「Teams」を導入することが分かった。2019年5月17日に同社が開いた公共市場の戦略説明会で、佐藤知成執行役員常務パブリックセクター事業本部長が明かした。

 「我々が当初想定した以上に公共市場でTeamsの活用が広がっている。『デジタル裁判』のような新しい利用シナリオも次々と出ている」。佐藤執行役員常務はこう胸を張った。

日本マイクロソフトで公共市場を担当する佐藤知成執行役員常務パブリックセクター事業本部長
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 佐藤執行役員常務によれば、最高裁は裁判官と原告・被告双方の弁護士が裁判所に出向くことなく、クラウド上で争点を整理できるようにするシステムの導入を企画し、入札を実施したという。そこで「Teamsを提案したところ、採用された」(佐藤執行役員常務)。

公共市場で根強いクラウドへの抵抗感

 裁判所は公共市場の中でもシステム化が遅れていて、紙の文書あるいはUSBメモリーに保管した文書データのやりとりで業務フローを進めるなど、システムが未整備だったといわれる。だからこそ、Teamsが受け入れられた面がありそうだ。

 日本マイクロソフトが公共市場のクラウド導入で主なターゲットとしているのは行政機関(中央省庁と地方自治体)と医療機関、教育機関の3つである。いずれもセキュリティーなどの観点からTeamsや「Azure」のようなパブリッククラウドサービスを使うことへの抵抗感が強いとされる。

 「我々はセキュリティーの技術的要件はパブリッククラウドで十分に満たせるとみているが、心理的抵抗感のハードルは高い」と佐藤執行役員常務は明かす。ただ、こうした傾向は日本に限ったことではなく、海外の公共市場でも共通した課題という。

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