富士通は、倉庫内の荷物などの位置を誤差30cm以内で計測できる屋内測位システムを開発、「富士通フォーラム2019」(2019年5月16~17日、東京国際フォーラム)に出展した。天井や壁に取り付けた専用のマーカーを360度カメラで検出し、3次元の位置情報を解析する手法で、ビーコンやRFIDなどが不要だ。同社は今回のシステムを、2019年6月をめどに製品化する計画である。

 富士通フォーラムのブースでは、同システムのデモを披露した。天井や壁に丸い画像マーカーを多数設置し、測位する荷物を運搬する機械などに360度カメラを取り付ける。カメラの画像の中から最低3つのマーカーを検出し、その位置関係や大きさからカメラの3次元位置と向きを算出する。

360度カメラで撮影した画像(左上)の中からマーカーを検出する(左下)。右の図に、マーカーの位置に対するカメラの現在位置が赤い矢のマークで表示されている
(撮影:日経 xTECH)
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 今回のシステムでは、リコーの360度カメラ「RICOH THETA V」を利用する。導入費用はカメラとマーカーの設置コストのみで、ビーコンやRFIDを用いるシステムと比べて低コストで導入できるのに加え、「例えば製鉄所のように、電波を用いる測位手法が使えない環境で有効」(ブースの説明員)とする。向きと高さの測定も、ビーコンなどを用いるシステムでは難しかったという。

測位に用いるリコーの360度カメラ「RICOH THETA V」
魚眼カメラを表裏に1つずつ搭載し、360度の全天球画像を撮影できる(撮影:日経 xTECH)
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 富士通は、今回出展したシステムの実証実験を製紙メーカーと共同で実施した。倉庫内で製品を運搬するフォークリフトに360度カメラを取り付け、荷物を降ろしたタイミングの位置情報を記録することで、荷物の置き場所を管理する実験である。荷物を降ろすタイミングの判定は、リフトに設置した別のカメラの画像を用いて行った。この実証実験における測位誤差は最大で30cmだった。

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