三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2019年5月15日、約940億円に及ぶIT(情報技術)関連の減損損失を発表した。クレジットカード子会社である三菱UFJニコスのシステム統合作業の見直しによるもの。2カ月前にはみずほフィナンシャルグループ(FG)も勘定系システムを含む固定資産の減損損失約5000億円を2019年3月期決算に計上すると発表した。メガバンクで相次ぐ「メガ減損」の深層を探ってみると、3つの共通点が浮かび上がった。

三菱UFJフィナンシャル・グループは子会社のシステム開発中止による940億円の減損損失を発表した
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 「三菱UFJニコスのシステム統合作業を進めてきたが、将来を見据えて現行計画の抜本的な見直しを決断した」。MUFGの三毛兼承社長は5月15日の決算説明会でこう述べた。MUFGは2016年から、三菱UFJニコスの業務効率化を目的にこれまで別々に稼働していたDCカード、MUFGカード、ニコスカードそれぞれの基幹系システムの統合作業を進めてきた。2022年3月期までに総額1500億円を投資する計画で、効率化により年間200億円の運用費用削減につながるとしていた。

三菱UFJニコスの本社が入るビル
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 だがMUFGは開発を進める過程で計画の見直しを余儀なくされた。「システムの複雑性から難易度が当初の想定よりも高く、完成にはさらに追加コストが必要なことに加え、急速なペイメント事業環境の変化が今後も続くと見込まれる」(三毛社長)と分かったからだ。システム統合関連資産の減損損失として2019年3月期に約940億円を計上した。新システムを構築することによって、将来的にシステム統合を果たす。

みずほFG、システム減損で「安定した収益基盤を」

 みずほFGも5月15日、勘定系システムを含む固定資産の減損損失として5007億円を2019年3月期決算に計上したと発表した。3月6日に発表した案件である。

 みずほFGが計上する減損損失約5000億円の大半はリテール事業部門に関わるソフトウエアに関するものだ。リテールとは個人向け事業のことであり、同事業向けのソフトは勘定系システムの中枢だ。預金口座の管理や決済、融資など、中核の銀行業務を支える巨大システムである。みずほFGの坂井辰史社長は2019年7月に全面稼働する新システム関連の減損などを通じて「安定した収益基盤の確立を目指す」と語った。

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