「直径10mを超えるほぼ円形の地形変化が確認された」――。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトのプロジェクトサイエンティストを務める名古屋大学大学院環境学研究科教授の渡辺誠一郎氏は、2019年5月9日の記者説明会でこう語った(図1)。JAXAは同年4月5日、衝突装置(Small Carry-on Impactor、SCI)の銅板(ライナー)を、小惑星「リュウグウ」表面に打ち込み、想定以上の人工クレーターの形成に成功した(図2)。

図1 はやぶさ2プロジェクトのプロジェクトサイエンティストを務める名古屋大学大学院環境学研究科教授の渡辺誠一郎氏
図1 はやぶさ2プロジェクトのプロジェクトサイエンティストを務める名古屋大学大学院環境学研究科教授の渡辺誠一郎氏
(撮影:日経 xTECH)
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図2 SCIによって形成された人工クレーター
図2 SCIによって形成された人工クレーター
(出所:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)
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 JAXAはこの成功を受け、2回目のタッチダウン(着陸)に向けた候補地の選定作業に入った。現時点での候補地は11カ所(図3)。人工クレーターが形成された「C01」領域に3カ所、同年3月にバックアップ候補地点として観察していた「S01」領域の5カ所、新たに候補地点として設定したC01の北西に位置する「L14」領域の3カ所である。いずれも、SCIのライナーが衝突した地点から遠くても30~40mの範囲にある地点で、人工クレーターからのイジェクター(飛散物)が堆積していると予想されるという。JAXAは、これら候補地の絞り込みおよび実際にタッチダウンを実施するか否かの判断のために、5月14日以降6月前半にかけて探査機本体を高度10m付近まで2~3回降下させ、候補地点の低高度からの観測を実施する。

図3 2回目のタッチダウンを実施する場合の11カ所の候補地点
図3 2回目のタッチダウンを実施する場合の11カ所の候補地点
(出所:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)
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