帝人がデジタルヘルス強化、「睡眠」以外に事業範囲広げる

MRや在宅医療の営業を動員し技術とユーザーをつなぐ

2019/05/14 05:00
高橋 厚妃=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 帝人は2019年4月1日に「デジタルヘルス事業推進部」を新設した。これまでデジタルヘルス分野は、ベンチャー企業がけん引してきたが、大手も本格的にサービス提供に乗り出す。

 デジタルヘルス事業推進部の前身は、2014年に帝人で発足した「ITヘルスケア・プロジェクト」。IT×ヘルスケアの新規事業の創出を目指すもので、注力したのが睡眠領域だ。その後2017年4月に「デジタルヘルス事業推進班」を設置した。

 今回、「班」から「部」に格上げされたデジタルヘルス事業推進部では、睡眠以外にも範囲を広げて事業を手掛ける方針だ。「常識にとらわれない自由な発想で、ヘルスケア領域の問題点を解決したい」と同部の佐藤暢彦部長は話す。

 具体的な内容は現在検討中だが、「つなぐ」がキーワードになりそうだ。全国に配置されている、帝人グループのMRや在宅医療の医療機器を扱う営業人員などを動員し、技術とユーザーをつなぐプラットフォームを構築することなどを検討している。「技術を持つ企業に、『このプラットフォームに乗りたい』と思ってもらえる基盤を作りたい」とデジタルヘルス事業推進部の増村成嗣氏は話す。

(写真:日経 xTECH)

 なぜ、営業体制が重要なのか――。「デジタルヘルスに各社が参入したが、大きく成功したところは無い。理由の1つは、ITだけで何とかしようとしているからではないか。デジタルの分野だからこそ、人が必要な場面がある」(増村氏)。

 さらに、「良いデジタルの技術があっても、人手をかけないとサービスや技術は広がらない」(佐藤部長)。これは、佐藤部長が以前、帝人グループで在宅医療分野の営業をしていたときの実体験から痛感したことだ。

 帝人グループの帝人ファーマは、医師や看護師、介護福祉士、薬剤師、ケアマネージャーなど医療や介護分野の関係者間で、患者のバイタルデータの情報を共有するシステム「バイタルリンク」を提供している。「我々よりも低価格でサービスを提供する企業もあったが、MRが丁寧に説明し提案営業をすることで、ぐっと契約数が増え、定着率も良かった」(佐藤部長)。

 また在宅医療の医療機器の営業では、機器の使い方について24時間問い合わせがくる。「こうしたことに対応できる営業体制は簡単には構築できない。我々の強みだ」と佐藤部長は説明する。

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