ネット企業らしからぬ「安定した低成長路線」を続けてきたヤフー。川辺健太郎社長CEO(最高経営責任者)の下で反転攻勢に向けた奮闘が続いている。

3年連続の減益も来期は増益見通し

 ヤフーは2019年4月25日、2019年3月期(2018年度)の通期決算を発表した。川辺社長が2018年6月に社長就任以来、初となる決算だ。売上高は前年度比6.4%増の9547億1400万円、純利益が同40.0%減の786億7700万円と増収減益だった。3年連続の減益だ。

決済会見に臨む川辺健太郎社長(右)
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 減益の理由は、キャンペーンに多額の資金を投じているスマートフォン決済サービス「PayPay」など、あらゆる事業分野でシェアを獲得するために投資したり、高成長路線に転じるための投資を続けたりしているからだ。川辺社長は決算会見で、今後も4~5年は事業強化の開発といった「重い投資負担が続く」とした。

 ただ川辺社長は投資が2019年度から実を結び始めると見通す。2020年3月期(2019年度)は純利益ベースで790億~850億円を稼ぎ、増益幅は数%と小さいながらも4期ぶりの増益に転じる見通しだ。4~5年の投資によって、既存事業を再生させるだけでなく新たな成長事業も創出して、10年後には「現在のヤフーとはまったく別の(高成長)企業に生まれ変わる」(川辺社長)シナリオを描く。

新たなヤフー、基盤は666万人のPayPay加入者

 川辺社長は新たなヤフー像を「オンラインとオフラインをつなぐナンバーワン企業」と位置付けた。スマホ決済や地図、カーナビゲーションシステムなど同社のネットサービス(オンライン)で集めたビッグデータの分析力を磨き、顧客が好む商品やサービスを高い精度でお薦めして実店舗(オフライン)に送客するビジネスモデルである。ユーザーの現実社会での行動をあらゆる場面で支援することで、収益機会を増やす狙いだ。

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