ドイツのシーメンス(Siemens)の呼びかけで10社以上の欧米企業が参画するサイバーセキュリティーの企業連合「Charter of Trust(信頼性憲章)」が、日本での活動を本格化させる。2019年4月24日、東京都内でセキュリティー担当者向けの説明会や記者説明会を開き、日本企業の勧誘活動に着手した。

 「現在の参加企業は10社ほどだが、いずれの企業もグローバルで事業を展開し、そのサプライチェーン(供給網)には100万社が連なっている。我々10社から100万社に影響力を行使することで、活動を広げていきたい。日本でもまずはグローバル企業から参加を呼びかけていく」――。

 信頼性憲章を立ち上げた狙いについて、シーメンス日本法人の藤田研一社長兼CEO(最高経営責任者)は記者説明会でこう説明した。

信頼性憲章の意義を説明するシーメンス日本法人の藤田研一社長兼CEO(最高経営責任者)
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 同憲章は参加企業が守るべきセキュリティー対策をまとめた規約集であると同時に、参加企業の間でサイバー攻撃の情報を共有したりサプライチェーンに連なる取引先企業に対策を働きかけたりする活動団体としての役割も果たす。特に注力するのが、サプライチェーン全体でのサイバー攻撃対策の底上げ・強化である。

対策水準をクリアできなければ取引できず

 藤田社長は「企業で生じたセキュリティー上のトラブルは6割がサプライチェーンを起点にしている」という統計を引きながら、企業へのサイバー攻撃が、相対的に防御力が弱い中小企業、すなわちサプライチェーンの「隙」を狙う手法にシフトしている点に強い危機感があると訴えた。

 信頼性検証に基づき、既にシーメンスは取引先に求めるサイバーセキュリティー対策を定め、新規の取引先は同対策を順守できた企業に限定する施策を始めたという。信頼性憲章では同様の取り組みを参加企業に要求する。

 製造業などのサプライチェーンにおいては、設計や機器センサーなどの機密情報も取引先との共有が進んでいる。上流に位置する大企業から取引先企業に対策を働きかけることで、物理的なサプライチェーンにデジタル資産のつながりを含めた「デジタルサプライチェーン」全体で情報漏洩を防ぎ、安全性を高める狙いだ。

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