ドイツのカール・ツァイス財団(Carl Zeiss Foundation)の100%子会社である特殊ガラスメーカーのドイツ・ショット(SCHOTT)は、人工衛星向けに質量を約1/10に軽量化した望遠鏡用の反射鏡基板を、2019年4月24~26日開催の光技術総合展示会「OPTICS & PHOTONICS International Exhibition 2019(OPIE’19)」を出品する(図1)。同基板の日本での公開は初めて。日本における宇宙ビジネスへの参入の足掛かりにしたい考えだ。

図1 人工衛星向けに質量を約1/10に軽量化した望遠鏡用の反射鏡基板
図1 人工衛星向けに質量を約1/10に軽量化した望遠鏡用の反射鏡基板
直径1.2m、厚み125mmの反射鏡で質量は45kg。通常は塊状となっている基板の裏面を、正三角形の格子状のリブが残るように肉抜きして軽量化した。基板の表面に銀をコーティングして反射鏡とする。(出所:SCHOTT)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社はこれまで、欧州南天天文台(European Southern Observatory、ESO)がチリに設置した世界最大の望遠鏡「超大型望遠鏡(Very Large Telescope、VLT)」や、10.4mと世界最大の口径のセグメント鏡(セグメント型望遠鏡では複数のセグメント鏡を組み合わせて1つの反射鏡を構成する)を備えたスペイン領カナリア諸島の「カナリア大望遠鏡(Gran Telescopio Canarias)」、反射望遠鏡を搭載した欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)の科学衛星「ヒッパルコス(Hipparcos)」、米航空宇宙局(NASA)の宇宙天体望遠鏡「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)」などに、反射鏡基板を提供してきた。現在も、ESOが2025年の稼働開始に向けてチリに建設中の「超巨大望遠鏡(Extremely Large Telescope、ELT)」に反射鏡基板の納入を進めている最中である(図2)。ELTは5つの反射鏡を有するが、同社の反射鏡基板はそのうちの4つ〔主鏡(M1)、第2反射鏡(M2)、第3反射鏡(M3)、第4反射鏡(M4)〕に採用が決まっている。

図2 ESOがチリに建設を進めているELTの完成予想イメージ
図2 ESOがチリに建設を進めているELTの完成予想イメージ
運用開始は2025年の予定。従来の望遠鏡の15倍の性能を発揮する見込み。(出所:ESO/L. Calcada)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら