KDDIと東芝、IoT(インターネット・オブ・シングズ)関連サービスを手掛ける東芝デジタルソリューションズ(川崎市)の3社は2019年4月23日、グローバルのIoT事業で協業すると発表した。KDDIが世界120カ国で展開する通信基盤「IoT 世界基盤」と、各種設備からIoT機器でデータを収集してAI(人工知能)で分析する東芝のIoTプラットフォーム「SPINEX(スパインエックス)」を組み合わせる。

東芝の執行役専務と東芝デジタルソリューションズの社長を兼務する錦織弘信氏(左)とKDDIの森敬一執行役員常務
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 顧客企業の海外展開を支援しつつ、東芝グループ各社の海外事業も拡大させる狙い。協業の第1弾として東芝エレベータ(川崎市)が手掛ける海外におけるエレベーター遠隔監視サービスへの導入を検討する。

エレベーターの遠隔監視サービスの概要
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グローバル展開で思惑合致

 発表会ではまずKDDIの森敬一執行役員常務が「日系企業のグローバル進出が加速している。企業の輸出額も海外現地法人の数も増加傾向にある」と現状を整理した。続いて「IoT市場規模は2020年に日本が14兆円、世界が247兆円となる見通し」と話し、多くの日系企業が世界の巨大な市場に挑戦していると訴えた。これに際し、KDDIは「データ蓄積・活用」「グローバル通信のアグリゲーション」「法規制・認証取得」などの要件を満たしたIoT 世界基盤で顧客企業のグローバル進出を支援していると強調した。

 続いて壇上に立ったのが東芝の執行役専務と東芝デジタルソリューションズの社長を兼務する錦織弘信氏だ。「東芝グループは世界有数のCPS(サイバー・フィジカル・システム)企業を目指している」。CPSは製造現場などから収集したデータをデジタル技術で分析し、現場に分析結果をフィードバックすることで企業価値を高める仕組みである。

 東芝グループはCPS関連技術に注力しており、その中心が「SPINEX」であるとした。現在、国内の製造や社会インフラなどの領域で展開を進めているものの、「世界有数」の存在になるには海外展開が不可欠。ただ、その際は各国に適した通信端末や通信キャリアの選定、法規制への対応などに手間がかかる。そこで東芝は協業を通じ、海外での課題対応をKDDIに任せることにした。

 KDDIの森執行役員常務は協業の理由について、「KDDIの通信領域、東芝の製造などの現場に関わる領域といった互いの強みが補完関係にある」と話した。さらに継続的に利益を上げ続ける「リカーリング」のビジネスモデルを指向する戦略も一致している。KDDIのIoT 世界基盤を使った生産設備の稼働状況の見える化、東芝のSPINEXを使ったデータ分析などで顧客企業のビジネス課題に応えることで、継続的な料金の支払いが見込めるIoT事業の売り上げ拡大を目指す。

協業の狙い
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