ヤマハ発動機が車両の「3輪化」を加速させている。2輪車ベースの3輪車を複数モデル発売したのに加え、新たにキックスクーター型の3輪電動モビリティーを開発した(図1)。前2輪、後ろ1輪の立ち乗り式で、名称は「TRITOWN(トリタウン)」。2019年4月27日~5月31日の期間、静岡県のリゾート施設「つま恋リゾート 彩の郷」内にて試験運用を実施する。使い勝手を検証して量産を目指す。

図1 ヤマハ発動機が開発したLMW機構を搭載した立ち乗り3輪電動モビリティー「TRITOWN(トリタウン)」(出所:ヤマハ発動機)
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 同社の3輪車で搭載を進める「リーニング・マルチ・ホイール(LMW)機構」を適用した。旋回⽅向にリーン(内傾)しながら曲がる技術で、3輪車ながら2輪車に近い旋回性能を実現できる。

 同機構は、ヤマハ発が市場投入している排気量125ccや155ccのガソリンスクーター「TRICITY(トリシティ)」、排気量845ccのガソリン2輪車「NIKEN(ナイケン)」で搭載実績がある。

 例えば、トリシティが搭載するLMW機構は、「パラレログラムリンク」と「片持ちテレスコピックサスペンション」という部品で構成している(図2)。リンクは計2本で平行に並んでおり、旋回時に平行四辺形になるように、リンクの中央を車体に固定する。

図2 ヤマハ発の「TRICITY(トリシティ)」が搭載するLMW機構(出所:ヤマハ発動機)
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 この機構により、旋回時にパラレログラムリンクが左右のサスペンションを異なる位置に動かす。左右の前輪を平行に近い状態で保ちながら互いに逆方向に上下に動く。運転者がハンドルを切って車体を傾けた方向に、左右の前輪を傾けながら走行することが可能となる。

 新開発した3輪電動モビリティーのトリタウンは、後輪にイン・ホイール・モーター(IWM)を組み込んだ。モーターの出力は500Wで、市場に出回る小型モビリティー用の汎用品を調達した。

 駆動用の電池パックは、容量380Whのリチウムイオン電池。比較的クリアしやすい安全基準の中で高出力を得られる電圧48V系のシステムで造った。電池パックは着脱式でボディー部分に搭載する。搭乗者は電池パックをまたぐように左右の足を置く。

 約2時間の充電で約30kmを走行できるという。最高速度は25km/hで、公道を走らないため免許は不要となる。車両質量は約40kgで、車両寸法は全長1140×全幅620×全高1140mmである。

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