デジタル技術によるビジネス構造の変革は、多くの企業にとって喫緊の課題となっている。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するには、市場や顧客のニーズを素早くくみ取り、新しいビジネスモデルを考えられるエンジニアが欠かせない。このようなDXを推進できるエンジニアを育成すべく、情報サービス産業協会(JISA)が動き出した。

 JISAは2019年4月11日、会員企業に所属するエンジニアを対象に、ビジネスクリエーターを育成するプログラム「JISA×SE応援塾」を開始した。このプログラムは新たなビジネスモデルの描き方を、座学とワークショップ形式で学ぶものだ。ワークショップは4人または5人で1つのチームを作り、他社のエンジニアと共同でビジネスモデルを作成する。2019年10月までの半年間で16回の講義を開催予定で、費用は1人70万円である。

 JISAの横塚裕志会長は「従来の受託開発は縮小に向かっている。これからは言われたことだけをやっていては、ビジネスは立ち行かない。顧客と共に新しいビジネスを生み出すエンジニアが求められている」と、危機感をあらわにする。

 JISAの会員企業の多くは受託開発を請け負うITベンダーだ。受託開発ではこれまで、顧客からシステム化の要件を聞き、要件通りにシステムを開発すれば、顧客のニーズを満たすことができた。しかし、企業のDXへの取り組みが急務となっている現在は、そのやり方では顧客の要求に応えられない。

 従来通りの受託開発から脱却できなければ、ビジネスが先細っていくだけである。そこで、自らの生き残りをかけて、顧客と共に新規ビジネスを創造できる人材が必要になっているのだ。

 DXを推進する役割を担うエンジニアには、「課題を見つける感性や本質的な課題解決策を考える力が欠かせない」(横塚会長)。これらの能力をトレーニングする育成プログラムが、JISA×SE応援塾である。

 講師を務めるのは、アダムイノベーションズ(東京・港)のカウシャル・ワウラガラ代表取締役だ。同氏は新潟県の南魚沼市で海外のIT関連企業を集める産業拠点「グローバルITパーク南魚沼」を運営。最新テクノロジーを活用したビジネスモデル開発の支援などを手掛ける。海外企業の日本誘致や、日本企業のグローバル展開のサポートにも実績がある。

アダムイノベーションズのカウシャル・ワウラガラ代表取締役(右)と情報サービス産業協会の横塚裕志会長(左)
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