AI(人工知能)を組み込んだOCR(光学的文字認識)技術「AI OCR」を導入することで、それまで4~5時間もかかっていた店舗での作業を1~2分に短縮した企業がある。保険商品の見直しや新しい保険商品の提案などを手掛ける保険ショップ「保険クリニック」を運営するアイリックコーポレーションだ。

「保険クリニック」店舗での打ち合わせの様子
出所:アイリックコーポレーション
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 時間を短縮できたのは紙の保険証券のデータ入力と分析作業だ。保険クリニックには加入している保険を見直す目的で顧客が加入中の保険証券を持って来店する。店舗スタッフはこれまで、この保険証券の内容を保険商品の分析や検索ができる業務システム「保険IQシステム」に手入力した上で分析する必要があった。

 その手入力の手間をなくすため、アイリックコーポレーションは2018年9月、システム子会社のインフォディオとAI OCRを共同で開発して保険IQシステムに組み込んだ。現在、全国およそ190の店舗で利用している。

 店舗スタッフはまずスマートフォンの専用アプリケーションで保険証券を撮影する。するとその画像を保険IQシステムへすぐにアップロードできる。アップロードした保険証券の画像は、保険IQシステムに組み込んだAI OCRを使ってデータを抽出する。

 保険IQシステムは抽出したデータを使って保険契約の詳細内容を自動で分析する。保険の保障期間や保障内容、月々の保険料など、顧客が現在加入している保険の契約内容を分析し、グラフを作って可視化する。店舗スタッフは顧客とこの可視化した内容を保険IQシステムの画面などで共有。料金が安い保険や保障内容の見直しなどの検討につなげる。

「保険IQシステム」に追加したAI OCRの読み取り結果の表示画面
出所:アイリックコーポレーション
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 従来は、店舗のスタッフが顧客から紙の保険証券を預かってデータを入力したり、入力したデータを分析したりするのに手間がかかった。保険証券が複数あったり、契約している保険の内容が特約を含めて複雑だったりするため、入力や分析の作業に4~5時間かかることもあった。

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