個人情報保護法の次期改正に向けた検討が本格化している。個人データを扱う企業を監督する個人情報保護委員会は2019年1月末から4月12日まで、次期改正に向けた企業や団体へのヒアリングなど10回以上の委員会開催を重ねた。近く中間的な論点整理案をまとめて広く意見を求める方針で、2020年にも改正される。

 個人情報保護法は2005年4月に全面施行された。現在の個人情報保護法は2015年9月に改正が成立し、2017年5月に施行された。同法はその付則で施行後3年をめどに、委員会の人的体制や国際的動向、ITの進展に伴って見直すと定めている。2020年はちょうど前回の施行後3年に当たる。

 個人情報保護法には他にも付則がある。現在の個人情報保護法は企業などの民間分野を規定している。だが付則は行政機関など公的分野の個人情報などの規定についても集約して「一体的に規定することを含め、個人情報の保護に関する法制の在り方について検討する」と定めている。

図 個人情報保護法とガイドラインの体系イメージ
(出所:個人情報保護委員会)
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企業は課徴金制度に慎重、公的部門の監督には賛成

 政府関係者によると、政府内で次期改正に向けた検討項目の1つとして課徴金制度の導入案が浮上しているという。

 委員会は一般からの情報提供や苦情、報道、インターネットを端緒に個人情報などの漏洩や不適切な取り扱いを把握して報告徴収や指導などをしている。しかし改正法施行後、委員会が企業に勧告や命令をしたり、罰則を適用したりした事例はない。

 委員会は2018年10月22日に米フェイスブックに対し、ユーザーIDやアクセス履歴などの情報が不適切に送信されたり個人情報の一部が第三者に不正に提供されたりしていたとして指導した。フェイスブックへの指導はユーザーへの分かりやすい説明や本人からの同意取得の徹底、アプリケーションの監視の徹底などを求める内容だった。

 ただ、委員会が国外の個人情報取扱事業者に個人情報保護法の規定を適用できるのは、違反行為の中止や是正を求める勧告までで、罰則の適用はできない。

 政府が課徴金制度の導入を検討しているのは、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)と同様に、国外の事業者に対して個人情報保護法の規定を適用して抑止効果を狙うという背景がある。

 しかし、日本経済団体連合会(経団連)や新経済連盟は課徴金制度の導入には慎重な姿勢だ。これまで委員会のWebサイトに公表された意見はいずれも「慎重な検討」を求めている。

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