「(スズキの)象徴的な存在だ」――。複数のスズキ関係者は、約19年ぶりに復活させる大型2輪車「カタナ」についてこう口をそろえる(図1)。2019年5月までに欧州市場に投入し、今年中には日本市場での発売を目指す。先代モデルよりも35kg軽くし、車両質量を215kgとした。軽量化によって走行性能を向上。乗り味を打ち出して訴求していく。

図1 スズキの象徴的な大型2輪車「カタナ」、2019年5月までに欧州市場に投入予定(撮影:日経 xTECH)
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 スズキが先代のカタナを最後に発売したのは2000年のこと。2000台限定で生産した車両が「瞬く間に売り切れた」(新型カタナでアシスタントチーフエンジニアを務めた佐々木達哉氏)という(図2)。知名度が高く、国内外問わずに人気がある同車両。量産すれば一定の販売台数を確保できるはずだが、スズキは開発を凍結するしかなかった。排ガス規制という技術的な壁が存在していたからだ。

図2 2000年に量産したカタナの先代モデル(撮影:日経 xTECH)
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 先代モデルで搭載していたのは、排気量約1100ccで直列4気筒ガソリンエンジンだった。当初、同エンジンの改良で排ガス規制をクリアしようと試みたものの、「難しいと判断して取り止めた」(佐々木氏)。

 専用エンジンを新たに開発するには多くの工数がかかる。エンジンの機種数を絞ってコスト削減を狙うスズキ全社の開発方針もあり、カタナ用の次期型エンジンはお蔵入りとなった。

 ここから19年の時が流れ、今では欧州の排ガス規制「Euro4(ユーロ4)」に対応するエンジンを複数実現できている。このエンジン技術を流用して、新型モデル用の排気量約1000ccで直列4気筒エンジンを開発した。先代モデルは空冷オイルクーラーを採用していたが、新型モデルでは主流の水冷に変更した。

足を引っ張る欧州と日本で販売強化

 スズキの象徴であるカタナの復活でブランド価値を高め、欧州と日本での販売テコ入れを図りたい考えだ。スズキが公開した2017年度(2017年4月~2018年3月)の決算資料によると、カタナを投入予定の欧州での販売は前年度比約1割減の4万台。日本は同約0.3割減の6万台となっている。

 一方で、好調だったインドは同約4割増、インドネシアは同約3増である。北米や中国でも1割近く販売台数を伸ばしていた。スズキの2輪車における世界販売台数は同約1.6割増の158万台。欧州と日本がスズキの世界販売の足を引っ張っている状態だ。

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