ソニーとタクシー事業会社5社らによる合弁企業「みんなのタクシー(東京都台東区)」は、東京都内のタクシー配車サービスを2019年4月16日に開始した(プレスリリース)。サービス開始時点での配車可能エリアは、東京23区と武蔵野・三鷹地区。

 国内のタクシー配車市場は、日本交通傘下の最大手であるJapanTaxiや、ディー・エヌ・エー(DeNA)が手掛ける「MOV」といった競合が既に存在し、みんなのタクシーは後発となる。同社は、東京都を拠点とするタクシー事業会社5社(大和自動車交通、国際自動車、寿交通、グリーンキャブ、チェッカーキャブ)とソニー、ソニーペイメントサービスが2018年5月31日に設立した合弁企業である。タクシー5社の所有する車両は合わせて約1万500台で、今回のサービス開始時点での対応車両は5500~5600台。今後2019年8~9月をめどに1万台への対応を進める。この他、都内で約7100台、全国で約2万2000台の個人タクシーが登録する東京都個人タクシー協同組合とも提携している(プレスリリース2)。同組合に加盟する個人事業主を含め、サービス提携事業者の拡大を目指す。

みんなのタクシー 代表取締役社長の西浦賢治氏
(日経 xTECHが撮影)
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低料率で決済代行、提携タクシー事業者を増やす起爆剤に

 今後のサービス拡大における武器として同社が掲げるのが、タクシー向け決済端末と配車サービスのセット売りである。同社は配車サービス開始と同時に、出資社のソニーペイメントサービスと連携し、提携企業であるセイコーソリューションズのタクシー用決済端末を用いた決済代行サービスを開始した。みんなのタクシー 代表取締役社長の西浦賢治氏は、「タクシー事業者にとっては、乗客を多くつかまえさえすればどの配車サービスでもあまり関係がない。そこで我々は、タクシー事業者の経費削減に貢献するサービスを同時に提供する」と話す。競合と比較して低料率での決済代行を提供する考えだ。

 西浦氏は、特に個人のタクシー事業者について、決済端末のまとまった切り替え需要が今後見込めるのではないかと期待する。その根拠となるのが、2018年6月に施行された改正割賦販売法だ。同法の施行により、クレジットカード決済を扱う事業者は、2020年3月までに決済端末のICクレジットカード対応が義務付けられている。

 西浦氏によれば、この決済代行サービスはあくまでも配車サービス導入のきっかけの位置付けで、みんなのタクシーの中心的事業ではない。将来的にはタクシーの配車による収益化を目指すが、短期的な収益源は、同社がPR会社のベクトルと共同でタクシー向けに提供するサイネージサービス「THE TOKYO TAXI VISION GROWTH」における広告収入だという(プレスリリース3)。同サービスでは、タクシー事業者にタブレット端末を無償で提供し、後部座席に設置して動画広告を配信する。現在の端末搭載車両は約3000台で、配車サービスに対応していても端末を搭載していない車両もある。2019年6月下旬をめどに、5社の全車両への端末導入を目指す。

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