がんかどうかを提示へ

 その後、約3万枚の症例画像を追加して合計で約9万8000枚を学習させた。これにより、当初はAIによる判断から除外していた、手振れしたり明るさが足りなかったりした画像でも判断できるようになった。

 再度の学習による変更の承認を申請しているが、「最初の承認時とほぼ同じ作業量で思ったより大変だ」(医療ビジュアリゼーション部 部長補佐の華原革夫氏)という。今回は明確な進化が期待できたため、再度の承認の手続きに踏み切ったが、これ以上、教師データを増やすことは現時点で考えていない。

EndoBRAINと連携した内視鏡システム。画面表示をシンプルにし、機器の操作も簡単にした
(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 今後は開発を次の段階に移す方針だ。専門医でなくても診断できるような技術の開発を目指す。現在は専門医が腫瘍の疑いのある部分を見つけて静止画を撮影した後に、AIが腫瘍かどうかの可能性を数値で示す。そこには専門医のスキルが求められる。これに対して、静止画を撮影しなくても、内視鏡が常に撮影している映像から腫瘍の疑いのある部分を見つけることまでできるようにする。さらに将来は、腫瘍ががんかどうかを提示できるソフトウエアの開発を目指す。

 ただし、いずれも診断の支援にとどめ、最終判断は医師に任せる方針だ。海外展開も目指すつもりだが、海外でもその方針は変えるつもりはない。須貝氏は「それでも十分に役に立てるはずだ」と自信を見せる。

 国内初の事例になったEndoBRAINだが、今後はライバル企業の追い上げも予測される。先行した優位性と昭和大学や名古屋大学との連携、次に開発を目指す新機能、簡単に扱える操作性などで、他社の追い上げを振り切る。