国内初承認の「AI診断支援ソフト」ができるまで

サイバネットシステムが手探りで一番乗り

2019/04/12 05:00
河合 基伸=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 大腸の内視鏡画像をAI(人工知能)で解析し、腫瘍かどうかをパーセンテージで医師に提示する大腸内視鏡診断支援ソフトウエア「EndoBRAIN(エンドブレイン)」を、オリンパスが2019年3月8日に国内で発売した。AIを用いた大腸内視鏡診断支援ソフトウエアで医療機器として承認を得た国内初の事例になるという。

 EndoBRAINを開発したのは、ソフトウエア開発会社のサイバネットシステムである。主力製品は科学技術計算分野のソフトウエアで、医療分野では20年以上にわたってCT画像の画像処理ソフトウエアなどを手掛けてきた。ソフトウエア開発の経験が豊富なサイバネットシステムだが、AIの活用は今回のEndoBRAINが初めてだったという。

医薬品医療機器等法に基づく承認を2018年12月6日に取得した
(出所:サイバネットシステム)
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 2013年にAI診断支援ソフトウエアの研究を開始し、2016年に日本医療研究開発機構(AMED)の委託を受けて本格的に開発を開始した。昭和大学の内視鏡診断の技術と、名古屋大学のAIアルゴリズムを連携させて、医師による診断を補助するAIを実現した。内視鏡で撮影した大腸の画像をAIが解析し、切除する必要のある「腫瘍性ポリープ」と切除する必要がない「非腫瘍性ポリープ」の可能性(パーセンテージ)を数値で出力する。

 開発を統括した医療ビジュアリゼーション部 部長の須貝昌弘氏は「開発当初はAIによる診断支援ソフトウエアに関する指標が何もなかった」と振り返る。2017年に始まった厚生労働省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」などの議論を参考にしたが、「明確なガイドラインが存在せず、手探りで開発してきた」(須貝氏)とする。

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