「PFNメンバーにとって最も重要なツールとは何だと思いますか」。AIベンチャーのPreferred Networks(PFN)は、同社への入社やインターンを希望する人材を対象にした会社紹介イベント「Preferred Networks オープンハウス2019」を2019年3月28日に開催した。

 主な登壇者は同社の一般社員。西川徹社長や岡野原大輔副社長といった経営トップが軒並み顔をそろえた前年から大きく様変わりした(関連記事)。冒頭の質問は発表者の1人であるエンジニアの阿部幹氏が発したもので、答えは「Slack」である。

冒頭で挨拶するPFNの岡野原大輔副社長
同氏の後はリサーチャーの宮戸岳氏、エンジニアの阿部幹氏の発表が続いた。当初は取締役CTOの奥田遼介氏、執行役員の秋葉拓哉氏が話す予定だったが、2人とも以前のオープンハウスで発表したことがあり、別のメンバーが話す機会を作ったほうがよいと判断したという(写真:Preferred Networks)
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 同氏らのプレゼンテーションからうかがえたのは、社員200人を超えても創業したてのスタートアップのような活力と柔軟な組織を保とうと腐心するPFNの姿勢だ。あえて一般社員に日常業務の実情を語らせることで、大企業になりつつある同社が創業以来維持している企業文化をアピールした。自分の裁量で好きな事業に取り組める自由さや、上下関係がなく猛スピードで話が進む勢いを前面に押し出し、こうした環境に魅力を感じる人材の取り込みを目指す。

PFNリサーチャーの1日

 当日登場した経営陣は岡野原副社長だけで、簡単な挨拶を述べて退いた。その後を引き受けたのはリサーチャーの宮戸岳氏。京都大学で修士課程を修了した同氏は、Google Brainでのインターンや国際電気通信基礎技術研究所(ATR)などを経て2016年にPFN入社。現在は、NN-Theoryと呼ぶ6人ほどのプロジェクトに属している。

 「リサーチャーの1日」と題して同氏が語ったのは、PFNでの仕事の内容や時間の使い方だ。 裁量労働制を採るPFNでは出社や退社の時間は基本的に自由で、同氏が出社するのは午前8時〜午後1時の間という。出社してまず取り掛かるのが論文投稿サイトarXiv.orgのチェック。機械学習関連のcs.LGstat.MLを確認し、新しい論文のタイトルを見て気になったものにざっと目を通すという。

 基本的に自由に使える時間が多く、論文を読むことに加え、プロトタイプの実装や論文のための実験・執筆などに時間を費やす。

 社内会議はあまりなく、週1回、1時間の全社ミーティングで現在進行中の論文や研究の内容を共有する他、論文の読み会(1.5時間)に参加したり、統計数理研究所教授の福水健次氏との議論(2時間)に加わったりする程度という。ICML(International Conference on Machine Learning)やICLR(International Conference on Learning Representations)、NeurIPS(Neural Information Processing Systems)といった国際学会の前には、PFNから投稿する論文のレビュー(1.5時間)にも参加する。

会議は論文読み会など
リサーチャーの宮戸岳氏は、普段の業務の様子を説明した(写真:Preferred Networks)
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 業務中、対面の会議を補うのがSlack上での議論である。論文を紹介するチャンネルでカジュアルな議論が活発に行われており、新たな発見や理解につながっているという。同氏はPFNの好きなところとして、自分の裁量で取り組むテーマや働く時間帯を決められること、潤沢な計算環境が用意され、それを支えるエンジニアがいること(関連記事)、フラットな立場で議論できること、知らないことを教えてくれる人がすぐ近くにいることなどを挙げた。

計算機スケジューラも内製
宮戸氏は潤沢な計算環境もPFNの利点と語った(写真:Preferred Networks)
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