SAPジャパンは新たなパートナー支援策である「パートナーサクセスプログラム」を発表した。実践型でプロジェクトの進め方を学ぶ講座を提供したり、SAPジャパンのコンサルタントがパートナーのプロジェクトを支援したりする。一連の取り組みを通じて、「今後5年で数千人規模のSAPコンサルタントを育成する」とSAPジャパンの大我猛デジタルエコシステム統括本部長は強調する。

SAPジャパンの大我猛デジタルエコシステム統括本部長
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 2019年4月2日に開いた記者説明会で明らかにした。同社がSAP製品の導入が可能なコンサルタントの育成を急ぐのには、足元のコンサルタント人材が不足しているためだ。「当社の試算ではパートナー企業に所属するコンサルタントが千人単位で足りず、今後さらに不足している人数は増えていくだろう」と大我統括本部長はみる。

 2018年度に増加した認定SAPコンサルタントは2888人。市場ではSAPコンサルタントは「2万人程度いる」(大我統括本部長)というが、需要の増加に供給が追いつけていない状況だ。パートナーの1社であるTISは「数年前から製造業を中心に、自社開発の基幹系システムをSAPのERPを利用して再構築する案件が増えている」(サービス事業統括本部の小川和寿ERPコンサルティング営業部長)と話す。

 コンサルタント不足の背景にあるのが、新規導入案件の増加とSAPの「2025年問題」だ。欧州SAPは現在、多くの企業が導入しているERPパッケージ「SAP ERP(ECC6.0)」の標準サポート期間を2025年までとしている。その結果、SAP ERPの利用者は基本的に2025年までにSAP ERPの後継製品である「S/4HANA」へ移行する必要がある。

 日本国内のSAP ERPの利用者は2000社とも言われる。多くが2025年までにS/4HANAへの移行に着手する見込みで、S/4HANAの導入プロジェクトは増加が見込まれている。

実践形式の講座で新規パートナーを育成

 コンサルタントの人材不足解消へSAPジャパンが打ち出したのがパートナーサクセスプログラムだ。「コンサルタントの増加と、パートナーが手がけるプロジェクトの質の向上を目指す」(SAPジャパンの大我統括本部長)。既存のSAP ERPのコンサルタントにS/4HANAの知識を重点的に提供するほか、新規のパートナーがすぐにコンサルタントを育成できる支援策を打ち出す。

 コンサルタント数の増加に向けた新施策が、3日間の座学で行う実践形式のワークショップだ。アプリケーションと技術の2領域でワークショップを開催する。プロジェクトの準備から稼働後のサポートまでのポイントを、プロジェクトの手順にのっとってSAPジャパンのコンサルタントが解説する。「新規のパートナーから挙がった、プロジェクトの進め方のポイントが分からないとの声にこたえる講座だ」(SAPジャパンの工藤晶常務執行役員)。

SAPジャパンの工藤晶常務執行役員
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 プロジェクトの質については、パートナーが主導する案件に対する支援を強化する。「プロジェクトにSAPジャパンの技術者を派遣し、支援する案件を増やしていきたい」と工藤常務執行役員は話す。既にSAPのドイツ本社でS/4HANAを開発しているエンジニアが、アドオン(追加開発)ソフトを開発するといった取り組みを始めている。

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