人手不足などを背景に、コンビニエンスストア各社がITで省力化を図る新型店舗の実験を急いでいる。ファミリーマートは2019年4月2日、横浜市で新店舗「佐江戸店」を開業した。外観はファミリーマートの他店舗と変わらないが、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用して省力化を図る「次世代型コンビニ」と位置付ける戦略店舗である。

2019年4月2日に開業したファミリーマート佐江戸店。パナソニックグループの事業所が集中するエリアの一角にある
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 「コンビニの完全な無人化は難しいが、オフィス内の小規模店といった限定的な条件下であれば無人に近い運営ができるかもしれない。佐江戸店で検証したうえで、展開の可能性を探りたい」。ファミリーマートの沢田貴司社長はこう意気込む。同社がまるまる1店舗を使う実験店を設けるのは初めて。他社を含めても、期限を設けずに常設店で実証実験を続ける試みは珍しい。

 佐江戸店はパナソニックとの協業の下で開業した。店舗はパナソニックグループの事業所が集中する佐江戸地区の一角にある。パナソニックがこのほど新設した店舗運営会社のストアビジネスソリューションズ(横浜市)がファミリーマートとフランチャイズ加盟店契約を結び、佐江戸店のオーナーとなった。店長はパナソニックからの出向者が務める。

 店舗はイートインスペースを備えた「通常の規模」(広報)の広さで、面積は約250平方メートルである。午前6時から午後11時まで年中無休で営業する。スタッフは社員6人とアルバイト8人前後。現時点では同規模店と比べて店員が大幅に少ないわけではないというが、今後は店舗を運営しながら省力化の可能性を探る。

パナソニックの画像認識技術を活用

 店内にはパナソニック製品がひしめく。最大の目玉は顔認証と物体認識を組み合わせた無人レジだ。

黒い顔認証センサーの前に立つファミリーマートの沢田貴司社長
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 無人レジのあるエリアの出入り口には顔認証ゲートを設けている。事前に登録した顔画像と一致するとゲートが開く仕組みだ。無人レジの台の上に買いたい商品を置くと、無人レジが画像認識技術を使って商品を認識する。

無人レジの台の上に商品を置くと、物体認識で商品を自動識別する
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 客がタッチディスプレーに表示された商品名と支払額を確認して「会計をする」ボタンをタッチすると、無人レジは再び顔認証で客の本人確認をして登録済みのクレジットカードから代金を引き落とす。

タッチディスプレーで代金を確認し、右上の黒いカメラで顔認証して決済する
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