切断した手の動き、「筋電義手」で再現

思い通りに手を開閉し、料理や仕事が可能に

2019/03/31 23:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
出典: ,日経メディカルOnline、2019年3月29日 , (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

筋肉を動かすときに発生する電位を使って、自らの意思で動かせる筋電電動義手(筋電義手)。日本でも約20年の歴史を持ち、知る人ぞ知る上肢欠損への選択肢だ。2018年4月に、日本製の筋電義手が初めて福祉用具として公的補助の対象となる「補装具等完成用部品」に指定されるなど、新しい動きが出てきている。

写真1 オットーボック・ジャパンが販売する筋電義手
ミケランジェロハンド(左)とマイオボックシステム(右) どちらも親指、人差し指、中指の3本の指が動く(3指駆動型)。ミケランジェロハンドは最新型で、拇指が示指の側面に来るラテラルピンチが追加されている。
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 筋電義手とは、筋肉を動かすときに筋膜に発生する電位を感知して義手内部に搭載したモーターを動かし、利用者が意図したように動かせる義手で、“ロボット義手”とも呼ばれる。

 国内で最も使われているのは、ドイツに本社を有するオットーボック・ジャパンの製品(写真1)。2つのセンサーが前腕伸筋群と前腕屈筋群が生じる筋電位を感知し、義手を開閉する。

 日本でも近年、ベンチャー企業や大学が、人工知能(AI)や3Dプリンターなどの新技術を活用した筋電義手の開発を進めている。2018年4月には、日本製として初めて、電気通信大学、横浜国立大学、東海大学医学部などが共同開発した前腕筋電義手「Universal Electric Control(UEC)eHand」が、厚生労働省が認める「補装具等完成用部品」に指定され、公的補助の対象となった。

 eHandにはAIを搭載し、専用アプリが付いている。スマートフォンにアプリを起動させ「手を握る」「手を開く」などのボタンを押した上でその動作を指示する動きをすると、その時に生じる筋電位を拾って記録し、義手を動かす。「ボタン操作で義手を教育できるため、使いこなすまでの時間が短くて済む」と、電気通信大学情報理工学研究科機械知能システム学専攻教授の横井浩史氏は説明する。

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