航空業界で相次ぐパイロットなどの飲酒問題対策で、国内の航空会社が共同でアルコール検査用の顔認証システムを全国の空港に導入する方向で検討に入った。日本航空(JAL)の赤坂祐二社長が2019年3月28日、日経 xTECHの取材に対して明らかにした。

 パイロットや客室乗務員などが各空港でアルコール検査を実施する際、共用の顔認証システムを利用して、別の者が替え玉として検査を受ける不正を防ぐ。現時点で導入時期は未定。既に航空各社が加盟する定期航空協会(定航協)で検討を始めており、検査体制の強化に向けて導入を急ぐ。

人手不足の地方空港でも替え玉検査を防止

 2018年秋から航空各社で相次ぎ発覚した飲酒問題では、酒気が完全に抜けておらず検査をクリアできないことを懸念したパイロットや客室乗務員が、別の者に検知器へ呼気を吹き込んでもらうなどして検査を逃れる、いわゆる替え玉検査の手口が一部で使われていたことが分かっている。

 この対策としてJALや全日本空輸(ANA)など大手航空会社は検査時に第三者が立ち会う体制を採っている。ただこの方法では就航空港での人員増が必要で、「定航協の議論では、全ての空港で常に第三者が立ち会う体制を整えるのは難しいとの声も出ている」(赤坂社長)。

 顔認証システムに各社のパイロットや客室乗務員などの顔データを登録しておき、検査時に認証することで人員の少ない地方空港などでも替え玉検査を防ぎ、全員が確実にアルコール検査を受ける体制を整える。

 システムを共用にすることで航空会社の費用負担を抑え、空港内の設置スペースも確保しやすくする。現時点では「具体的な導入時期は決まっていない」(赤坂社長)としているが、航空各社や国土交通省は飲酒問題からの信頼回復が急務との認識で一致しており、早期の導入を目指す。

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